今回は、早稲田アカデミーのトップレベル模試の内容と対策です。
具体的には、令和元年12月8日に実施されたテスト問題の内容を紹介するとともに、その問題を解いた上で解答をチェックしてみて、おばばが考えた対策を書いてみます。
早稲アカのトップレベル模試は、学習の進んだお子さんがチャレンジするテストであり、また、特待生を選抜するテストでもあるため、極めて難しいテストになっています。
科目は、算国の2科目。試験時間は各50分です。
1.国語(満点は100点)
○物語文(44点)
1950年後半から1960年前半に多くの文学賞を受賞した、有名な小説家の書いた、子どもを主人公とした物語が題材。
少し昔の小説で、文章、言い回しがしっかりしており、また、感情描写も比較的分かりやすい表現を使っている正統的な問題と思いました。でも、文章内容は4年生にとってはレベルが高く、本をよく読む読解力のあるお子さんでない場合、読むのに苦労すると思います。
ただ、問題は素直な設問が多いです。
全8問あるうちの1問は、「傍線部の気持ちとして7つある選択肢の中から、ふさわしいものを全て選ぶ」との問題ですが、これは大人が解答を読んでも、「正答について納得できるか微妙だな。」と思いました。この問題は非常にトリッキーですが、これを除けば、トリッキーな設問はないです。
素直な問題と言っても、4年生にとってはかなり難しい問題であり、実力差が出る良問ではないかと思います。
○説明文(36点)
昆虫の生態についての説明文ですが、内容は高度ですが、トリッキーな文章ではありません。一方で、答えとして「文中の特定の一文」を抜き出して答えればいい、といった問題が少なく、自分で内容を理解の上、文中の言葉を使ってある程度自分の文章とすることを求めています。
5つの問のうち、1つは大人が解答を読んでも、そうかな?と思う非常にトリッキーな問です。それ以外も、大人でもなかなか正答しにくい難しいものが多く、トリッキーな設問が多い感じがします。ただ、トリッキーな問題は皆が落とすでしょうから、それ以外を正解できるかどうか、その部分で実力差が出ると思います。
○慣用句のうち1単語が空欄になっていて、それを2字又は3字の平仮名で書かせる問題(5問:各1点×5)
○慣用句のうち1字が空欄になっていて、それを漢字で書かせる問題(5問:各1点×5)
○通常の漢字書き取り(10問:各1点×10)
これらの慣用句、漢字も難しく、非常にレベルの高い問題となっています。
国語全体を通してみると、物語文、説明文の読解力と問題の意図を読み取る力、慣用句、漢字、それぞれ、実力が出る難問だと思います。塾の国語の授業に真剣に取り組むことに加えて、受験時の学年より上のレベルの物語や文章を普段から読み込んでいるお子さんが力を発揮すると思います。
ただ、「言うは易し」で塾のテキストをこなすだけでも大変なところ、学年を超えたレベルの本を読み込むのは大変ですよね。
2.算数(満点は100点)
○大問が4問。
図形(24点:6点×4)、
等差数列の和の応用①(18点:6点×3)、
場合の数(40点:8点×5)、
等差数列の和の応用②(18点:6点×3)
○図形:「2つの図形の面積S1とS2が等しい。」との条件について、「2つの図形にそれぞれ『同じ形』を追加しても、追加後の2つの形の面積は等しい。」との考えを使えるか、といった問題。解答を教えてもらえば難しくなさそうですが、短い制限時間で解くのは困難。この考え方を使う図形問題は、重要項目なので、事前に勉強しておく価値はあるかも。
○等差数列の和の応用①
等差数列の和(○~△まで1ずつ増える、又は一定の数ずつ増える整数の和)を計算できるのが前提の問題。たくさんの正三角形からなる網目状の道を一定の規則に従って進んだ場合の、動いた距離を求める問題。自分で規則性を見つけたあと、実際の計算には等差数列を使う。
○場合の数
9マス(3×3)に4つの「○」を書き込む。縦の列、横の行、それぞれ、最低1つは「○」を書き込むとすると、何通りあるか、といった問題。
また、これを利用して、16マス(4×4)に5つの「○」を書き込むとき、縦の列、横の行、それぞれ、最低1つは「○」を書き込むとすると、何通りあるか、といった問題。
問題では、考え方のヒントが書いてあるけど、それでも、整理して分類の上、数え落としのないように、もれなく数えるのは困難。小問5問のうち、通常の4年生ができるのは最初の1問位では。
○等差数列の和の応用②
等差数列の和(○~△まで1ずつ増える、又は一定の数ずつ増える整数の和)を、何回も、正確に、高速に計算できることが大前提の問題。
その上で、多くのカードや立方体を並べてた場合に、「等差数列の和」をどのように使えばいいかといった規則性を見出して、使う問題。
算数全体を通してみると、難しいの一言。
この回のテストについては、等差数列の和を正確、高速に計算する力は必須ですが、それを大前提として、未知の問題に対して、自分で規則性を見つけて、非常に大きい数の場合にどうなるかを問う問題が目立ちました。
公式を使う問題ではないので、算数の本当の力をつけるしかありませんが、もうとにかく問題が難しすぎで、時間も足りません。
対策としては、「場合の数」と「規則性と等差数列の和の組み合わせ問題」についてトレーニングするとともに、各大問の中の1問目、2問目辺りに力を注ぎ、大問の3問目以降は無理そうな問題はスパッと捨てて、比較的取り組めそうな問題に時間を投入する、といった方法かと思います。
ピヨ太は、算数は4割位が解けず、点数も半分取れませんでした。また、国語も難しく、点数も高くありませんでした。2科目合わせた総合順位は二桁前半でした。
今回は、ここまでです。