「君の名は」で知られるアニメ映画の新海誠監督には「秒速5センチメートル」という作品があります。
幼馴染の男女1組を軸にした物語で、【小学生~中学生まで】、【高校3年生】、【社会人になってから】の3話構成の映画です。
第2話の舞台は、鹿児島県の種子島。
その中で、ロケットが打ちあがるシーンがあります。美しい映像で知られる新海誠監督の映画ならではの、幻想的なシーンです。
ロケットの発射を見たことがありますか?
轟音とともに、一筋の光となって夜空の中を進んでいくロケット🚀は、とても綺麗です。
映画の中のロケット発射のシーンも、種子島宇宙センター「大型ロケット発射場」から打ち上げられたもの。
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日本では大型ロケットは、種子島から発射されます。
ロケット発射台が、種子島に置かれているのには、2つの理由があります。
・日本の中で南に位置する
・海が近くにある
家にある地球儀を、地球が自転する方向にくるりと回してみると、北極点、南極点は動かず、一番速い速度で回転しているのが赤道ですよね。
ロケットは発射の時、この「地球が自転する力」を利用して、速さを稼いで、大気圏を抜け出していきます。
赤道に近いほど自転の速度が速く、その速さに助けられて、発射のエネルギーが少なくてすむので、北半球の日本では南であるほど良いのです。
戦後、日本は7年間、GHQの占領下にありました。
占領下で、航空宇宙技術に関する開発が禁止されていました。ロケットの開発は即ちミサイルの開発とつながるからです。
その禁止が解除されて、ようやく日本のロケット開発が始まります。そして、ロケット打ち上げ場として選ばれたのは、種子島でした。
ロケットの発射に、「地球が自転をする力」を利用するならば、日本の最南端の沖縄が良いはずでは!?と思いますよね。
沖縄が日本に返還されたのは、1972年なんです。
ロケット開発が始まった当時の、日本の最南端は、鹿児島県でした。
では、なぜ九州本島の鹿児島県ではなく、島だったのか?
ロケットの発射が失敗に終わった時は、海に墜落させるのが一番被害を出さずにすみます。それで、九州本島ではなく、海に囲まれた島が選ばれたとのこと。
こうして、種子島は、日本の中で「宇宙に一番近い島」となりました。
海に囲まれた種子島のロケット発射場は、「世界一美しい発射場」と言われています。
同じく鹿児島県に「内之浦宇宙空間観測所」があり、小型のロケットは、ここから打ち上げられます。
この「内之浦宇宙空間観測所」と同じ町内に、2015年に、新しく学校が作られました。
<鹿児島県立楠隼中学・高校>
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/nansyun/
全国的にも珍しい公立の全寮制男子中高一貫校です。
公立の学校ですが、募集は全国から。
町内にJAXAの施設があることから、JAXAとの連携による宇宙学講座の定期開催があるとのこと。
宇宙が大好きな男の子ならば、早くから宇宙を学べる学校も、面白いかもしれませんね。
今回は、ここまでです。