手塚治虫の「ブラック・ジャック」。
その良さを知っている方には、何で今更、名作中の名作、こんな有名な漫画がおすすめなのか、と思われるかもしれません。
「ピヨ太に読ませたい。」
おじじが突然大人買いをしてきたのは、去年の秋。
おばばは、読んだことがありませんでした。勿論、作品名は知っていましたが、何だか怖いイメージで、残酷なシーンもありそう。何より昔の漫画だし、今時の小学生ピヨ太には合わないのでは?と思い、しまい込んでいました。
読む本が尽きて、引っぱり出してきた「ブラック・ジャック」。
この1週間、ピヨ太とおばばは奪い合うようにして、「ブラック・ジャック」を読み進めています。
こんな面白い漫画だったのか!
きっと、おばばと同じように、「作品は知っているけど、読んだことないし、興味ない。」というお母さんが多いのではないかと思い、今回はこの漫画をおすすめします!
【おすすめポイント】
「ヒューマンドラマ」なんです!
主人公は、無免許の天才外科医師、ブラック・ジャック。
子どもの頃に爆発事故にあい、全身の手術で一命を取り留めますが、顔や身体に手術の痕が残り、恐怖で髪の半分が白髪になっています。
斜に構えた態度で、法外な報酬を要求するドライな仕事ぶり。
黒マントで、正規の医者の資格を持たない闇医師。
でも、実際は・・・
義理堅く、正義感が強く、自分の仕事と真摯に向き合う、純情な青年。
そして、ストーリーの根底に流れているのは、「命への渇望」とか、「人が生きる意味」とか、「人間ならではの様々な思い」とか、なんです。
おばばが、特に心に残ったストーリーを、2つ紹介します。
(※完全にネタバレです!)
【二度死んだ少年】
ニューヨークのスラム街。
父親を殺し、警官達に追われていた少年は、非常階段を駆け上がったビルで追いつめられ、自ら飛び降ります。
普通の医師では助けられないほどの状態。
手術の依頼を受けたブラック・ジャックの天才的外科手術によって、一命をとりとめた少年は、裁判にかけられます。
ところが、判決は、無情なものでした。ブラック・ジャックは抗議します。
「死刑にするために助けたんじゃない!どうしてわざわざ2回も殺すんだっ。なぜあのまま死なせてやれなかった!?」
最後の日。少年は、刑官にブラック・ジャックの名を聞き、「ありがとう」の伝言を頼みます。恐らく、人からの親切をほとんど受けたことのない短い生涯でした。
塀を見上げているブラック・ジャック。
【なんという舌】
全国そろばん大会の会場。優勝決定戦。
出場者の少年の指が動かなくなります。外科手術によってやっと使えるようになった腕と指。長時間の酷使には耐えられないと、分かっていました。
この少年は、元々指先がありませんでした。舌を使ってそろばんをやっていましたが、人前では恥ずかしくてできないというので、少年の並外れたそろばんの才能を惜しんだ先生が、ブラック・ジャックのところへ手術を頼んできたのです。
「舌をつかったそろばんを笑うやつには笑い返してやればいい。」と、手術を断るブラック・ジャックですが、先生と少年の思いにほだされ、手術をします。そこから、たいへんな努力をして勝ちとった決勝戦の舞台でした。
優勝決定戦の3題目。ついに指が動かなくなった少年は、一瞬あきらめかけます。
が、決意して、舌を使い始めました。どよめく観客席。
先生が駆け寄って、事情を話し、残りの問題に舌を使うことの許可を求めます。
何事もなかったように、出題を続ける主催者。
満場の拍手の中、立ち去るブラック・ジャック。
手塚治虫の名作漫画。
古いから、恐そうだからという理由で読まなかったら、勿体ないです。
ストーリーへの理解や共感、という面から、4年生くらいからが良いかも。
子どもに見せたくないと思うようなシーンは、特にありませんでした。
今時の小学生にも、今時のおばばにも、面白い!
「ブラック・ジャック」、おすすめです!
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今回は、ここまでです。