先日、書店に行った時に目についた本を買って帰りました。
江戸川乱歩の「押絵と旅する男」
江戸川乱歩といえば、「怪人二十面相」のシリーズで知られていますが、本格的な推理小説、耽美的な短編小説など、様々な作品を書いています。
書店でこの本を手にしたきっかけは、表紙が漫画本のような色使いのきれいなイラストで装丁されていて、そのレトロモダンな雰囲気が、流行りの「鬼滅の刃」の雰囲気に似ている感じがして、ピヨ太も読むかなあ、と思ったからです。
表紙だけでなく、話の中にも大きな挿絵がふんだんに入っています。
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立東舎の「乙女の本棚」というシリーズの中の1冊です。
「乙女の本棚」は、文豪の名作と人気イラストレーターのコラボレーションで、「小説としても画集としても楽しめる」として、人気があるとのこと。
ラインナップも、文面から絵が鮮やかに浮かんでくるような小説が揃っています。
どれも、若い頃に読んで、強い印象を受けた作品ばかり。その頃に読んだ時のイメージを裏切らない、画集のような1冊です。
この「乙女の本棚」シリーズ。
中でも、小学生へのおススメとしては。
★「蜜柑」芥川龍之介
★「檸檬」梶井基次郎
★「夢十夜」夏目漱石
★「女生徒」太宰治
★「外科室」夢野久作
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「押絵と旅する男」
ピヨ太の本棚に置いてみたら。
はたして、イラストに惹かれたのか、読み始めました。
江戸川乱歩は、小説の書き出しの一行が、印象的なことでも知られています。
例えば、「怪人二十面相」の書き出し。
「そのころ、東京中(じゅう)の町という町、家という家では、ふたり以上の人が顔をあわせさえすれば、まるでお天気のあいさつでもするように、怪人「二十面相」のうわさをしていました。」
この書き出しが、子ども達の心をつかむのだと思います。
「押絵と旅する男」の書き出しは。
「この話が私の夢か私の一時的狂気の幻でなかったならば、あの押絵と旅をしていた男こそ狂人であったに相違ない。」
今の時代の子ども達にもマッチした画集のような本。
イラストを楽しみながら、格調高い文章も、味わうことができます。
お話の内容も、面白いです!
今回は、ここまでです。