今日は、都民の日。
ぽろぽろと思い出したこと、ちょっと書いてみようと思います。(オチ無し)
お時間のある方は、どうぞおつきあい下さい。
おばばのTOKYO片隅ライフ
家を買いたいと思って、ちょっと探していた時期があるんですね。
ある日、おじじとお出かけして歩いていたら、不動産会社の人が、立っていたんです。家を案内することになっている人を待っているところだったようです。
不動産会社の名札がついているジャケットに目がいって、思わず見ていたら、「〇〇さんですか?」と、間違われて声をかけられました。
「違いますけど、うちも家を探しているので、良かったら一緒に連れて行って下さい。」と話して、すぐ後に来た、本当の待ち合わせの人(30くらいの女性)に、不動産会社の人がお願いしたら、承諾してくれたので、一緒に行ったんですね。
古い一軒家でした。
細い私道の奥にあって、私道が細すぎるので、多分、建て替え不可なんです。
古い家だし、建て替え不可ならどうしようもないのでは?と思い、不動産会社の人に確認したら「まあ、補修工事をする感じでカバーを被せちゃって、建て替えちゃう人もいますよ。」なんて言ってて、いやいやそれはダメでしょ!ってことで、まあここはないよね、と目配せするおじじとおばば。
家に入ると、玄関口で、70くらいの上品なおば様が、「ようこそいらっしゃいました。」と三つ指ついてご挨拶してくれます。古風なご挨拶にびっくりしましたが、売主さんです。
三つ指ついてご挨拶される人を、初めて見ました。
そこは、そのおば様の持ち家で、和洋折衷の二階建て。おば様にふさわしく、どことなく上品な様子のお家。息子家族も一緒に住んでいるということですが、外出されていました。
不動産会社の人の案内で、家を中を見て回る時、売主さんって、顔を合わせないように、鍵を預けて外出されていることが多いんですね。
でも、そのおば様はとても売りたいらしく、一緒について回って、アピールポイントをよどみなく話し続けてくれるのです。
「このピアノはね、すごいでしょ。とても重いので、ちょっと床がよれてますけど、補強無しでも大丈夫なんです!家がしっかりしているんです。」
「この辺一帯、全部空き巣が入ったんですよ。でも、この家だけは入らないんです!」
ちょっと微妙なアピールポイントだなあと思いつつ、まあどうせ買わないのでと、楽しく見て回るおじじとおばば。
購入検討中の女性は、とても理知的な感じの人。常識的な判断もできるでしょうし、まあ、買わないのでしょうね、と思っていたら、おば様の微妙な売主トークにやたらと真剣に相槌をうっているではありませんか。
恐らくですが、人の心理として、購入のライバル(おじじとおばば)の出現で、気持ちに火がついたご様子。
ひとしきり見て、お礼を言って、玄関を出ようとすると、おば様は、「どうぞよろしくお願い致します。」と、また上品に三つ指をついてご挨拶してくれました。購入検討中の女性は、しっかりおば様と目を合わせてお礼を言っていました。
外へ出て、「どうしますか?」とたずねる不動産会社の人。
おじじとおばばは、お礼を言ったうえで、「買いません。」と伝えました。
一緒に見て回った女性は、その後、不動産会社の人と二人で立ち話。
おじじとおばばは、その場を離れて、またしばらくお散歩しました。
ランチするレストランを検討しながら、あれこれ見て回って、また近くまで戻ってきたら、なんと氷川きよしさん(変身前)が撮影中で歩いていたんですね!
「おお~!氷川きよしさんだ!」
とテンションあがるおじじとおばば。
氷川きよしさんを見ていたら、その1mほど後ろに見覚えある人影が。
さっきの不動産会社の人と、家の購入を検討している女性が、まだ真剣にお話中でした。真剣過ぎて、すぐ目の前の氷川きよしさんにも気がつかなくて勿体ないなあと思ったおばばでした。
今回は、ここまでです。