昨夜、BSテレ東で放送された
「THE名門校 日本全国すごい学校名鑑」
「武蔵高等学校中学校」の回を観ました。
面白かったです。
ゲストは、歴史学者の本郷和人さん。
本郷さんが面白いのでしょうか? 武蔵という学校が面白いのでしょうか?
とにかく、こんなに面白かった回は初めてです。
まず、冒頭から「※個人の見解です」のテロップが何度も登場し、スタジオは笑いに包まれていました。
本郷さんの名言(迷言?)
武蔵は筑駒に落ちた人が行くので、挫折を経験している。
開成は挫折を知らないが、麻布と武蔵は敗残兵。
都会の麻布、田舎の武蔵。
冒頭で笑いをとった本郷さんのペースに乗って、名門校紹介のスタジオの緊張感は一気になごみます。
教育ジャーナリストのおおたとしまささんまで、
開成は「メリハリのきいた自由」
麻布は「堕落と隣り合わせの自由」
武蔵は「学問の自由」
と、自分の見解を披露。
ここにも「※個人の見解です」のテロップ。
緑豊かなキャンパスの恵まれた施設。飼われているヤギ。理科のお土産問題が出題される入学試験。自由な服装。オタクと呼ばれる研究者気質が尊重される校風。中1~高1まで英語で学ぶ科学。教科書通りではなく、本質を教え、好奇心を刺激する授業。あえて教えず、失敗を経験させる教育。
さまざまな魅力が紹介されました。
武蔵中学校を志望するご家庭では既にご存じかと思うので、割愛します。
卒業式で、卒業生が在校生に送った「答辞」から。
極端な思想を持て。若い頭に訪れる思想の芽生え。一時的な思想は極論であり、それを直ちに誰かへ伝えたくなる。絶好の捌け口は、すぐ隣にいる武蔵の友人。高校生だから、戯言を吐いて平気でいられる。無茶な主張を譲り合うことなく、本気で出し合ってほしい。
本郷さんの同級生の53期生達の言葉を紹介します。
【武蔵での出来事】
「太陽観測部」で【太陽の黒点観測】を一年で250~270日観測した。本郷さん達の口先の強い「民族文化部」と年初に予算の分捕り合戦をして大変だった。(「はやぶさ」プロジェクトのキーマン・JAXA宇宙科学研究所長の國中さん)
観賞だけの「音楽の授業」で、クラシックオタクになった生徒が続出した。卒業の時に最優秀論文に送られる山川賞(理系)の受賞が、自分にとっては大きな出来事となって、その後を方向づけた。(日本でノーベル賞に最も近いと言われている人の一人・筑波大学の柳沢さん)
中学に入ってすぐの頃、食べた後にゴミが出た。物理控室のゴミ箱が見えたので、捨てようと思ってドアを開けたら、先生がいた。「捨てていいですか?」と聞いたところ、先生が立ち上がって深呼吸をした後、「自ら考えよ。」と言われた。(外務省員を経て弁護士になった吉野さん)
「今自分に必要な問いは何か」を考え続ける千本ノックを受けた。卒業してから、「問いの大切さ」に気がついた。(LIXILグループ社長の瀬戸さん)
数学の先生が、授業で落語をしてくれる。お酒の大好きな先生が、二日酔いになり、本郷さんに代わりに授業をしてくれるように頼む。(本郷さん)
【武蔵を振り返って】
あの時に帰りたい。(本郷さん)
学校は何でもやらせてくれた。(國中さん)
私の中の自由を培われた。(柳沢さん)
自分の人生を好きに楽しくどうやって生きたらいいのかを教えてくれた。(吉野さん)
幸せな6年間。(瀬戸さん)
同じメンバーで、もう一度中高6年間をやってみたい。(三菱重工の福田さん)
最後に、本郷さんが武蔵在校生へのメッセージとして書かれたのは、
「自分の道をいこう。」でした。
今回は、ここまでです。