SMAPや嵐が所属したジャニーズ事務所が、「ジャニーズJr.に22歳での活動終了制度を導入すること」を公式サイトで発表しました。
満22歳到達後の最初の3月31日までに、事務所との活動継続の合意に至らない場合は同日を持って終了するという制度で、2023年3月31日から適用されるとのことです。
公式サイトによると、ジャニーズJr.とは「デビューまでのタレントやアイドルの発掘と育成を目的」とした制度とのこと。
今回、22歳での活動終了を制度化した背景は、「恵まれた環境ゆえに、一般的に人生の岐路と言われる年齢になっても、適切な進路を決定し難くなっていることが懸念されるため」との説明でした。
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中学受験をするご家庭でも、お子さんが習い事に熱中し、どのタイミングで中学受験の勉強へ移行するか、悩まれる場合もあるのでは、と思います。
特に、お子さん自身に適性があって、親御さんも献身的にサポートをして、ハードな練習をこなして成果も出している。成長する時期に中断することが致命的になるような競技の場合は、決断が難しいのではないでしょうか。
最近10巻が発売された中学受験漫画「二月の勝者」の中でも、心に残る一つに、第1巻でサッカーをやめて入塾する三浦親子の話があります。
サッカーを続けさせたい為に入塾を反対するお父さんに、黒木先生は実力を見る為のリフティング対決を提案し、体験授業中の三浦君を呼びに行かせます。
そして。3分続けた後ボールを落として負けてしまった三浦君。
お父さんに向かって、「サッカーの実力は平凡」と言い切る黒木先生。そして、「サッカー競技人口の中でプロ選手になれる確率は、0.21%。」と。
(画像はお借りしています。)
その夜。
三浦君が「しょうらいの夢」という題で書いた作文をながめているお父さん。そこには、「サッカーの日本代表になって背番号10番で活躍したい」と書かれています。
「『大きな夢を持って頑張れ』って長年言ってきたのに、今更どうやって『そろそろ現実を見よう』って言える? みんなどうやって、『”夢”は”夢”でした』って受け入れられるんだ・・・?」とうなだれるお父さん。
「もしかしたら俺は、誰かに代わりに言ってもらえて、ホッとしているのかもしれないな・・」
三浦君ほど早い時期でなくても(三浦君の場合は、本人というよりお父さんの夢だったようです。)、サッカー選手を夢見るお子さん達も、いつかその夢をあきらめる日が来ます。
多少の例外はありますが、一般的には、サッカーや野球でプロ選手を目指していて、高校卒業か大学卒業の時点でなれなかった場合、他の道へ進むことになります。
大学卒業時とすると、22歳が夢を諦めるタイミングです。
他スポーツ競技でも、学生生活を終える22歳というのは、大きな目安ではないでしょうか。
その道一つで精進してきた若者にとって、プロへの道を断たれるというのは、受け入れがたい苦しみだろうと思います。
それでも、まだ若い22歳という年齢で、制度によって道を断たれたら、自分なりに気持ちの折り合いをつけて、別の道を探すしかなくなります。
そして、22歳という年齢は、社会人であればここから始まる年齢。大人の目で見れば「いくらでもやり直しのきく年齢」です。
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今回、ジャニーズ事務所が、育成機関での22歳の年齢制限を設けたのは、自身がジャニーズJr.での活動を経て、芸能界で活躍していた滝沢秀明さんが経営陣に加わったことでの変革と言われています。(Wikipediaで調べてみたら、滝沢さんは副社長なんですね。)
デビューできずに苦しむ多くの仲間を見てきたからこその決断ではないかと思います。
「二月の勝者」では、お母さんが三浦君に、お父さんが入塾を承諾したことを伝えます。
そして、「ホントにあの塾でいいの?」と尋ねるお母さんに「あの塾だからいいんだ。」と答える三浦君。
それは、黒木先生の一言があったからのようです。
入塾試験で5問しか解けず悔しそうな三浦君に、黒木先生が話しかけたのです。
「解こうと粘ったのがよくわかる答案です。スポーツか何か、長い期間、取り組んできたものがあるのでしょう。粘って頑張った経験がある子は、受験でも強いですよ。」
一生懸命頑張った経験は無駄にはならない。他のことでも、きっと活きてくるのですね。
一生懸命習い事を頑張っていた頃のピヨ太がオーバーラップしてしまい、おばばは、あのシーンは涙なしでは読めないのです。
今回は、ここまでです。