今回は、植物分野の効果的、効率的な記憶方法についてです。
「植物」は、記憶すべきことが多くて、大変だと思われませんか?
例えば、中学受験の理科で、次のような問題がよく出たりしますが、なかなか覚えられないし、いったん覚えてもすぐ忘れてしまいます。
① 胚珠が子房の中に入ってない植物を選べ
② 発芽の時に葉っぱ(子葉)が1枚の植物を選べ
③ 花弁が4枚の植物を選べ
④ 雄花と雌花に分かれている植物を選べ
などなど。
そこでおすすめなのが、植物を「分類」で覚える方法です。
植物も動物も、性質が近いものが仲間として分類されていて、「界・門・綱・目・科・属・種」に分けられています。
例えば、「界」には、「動物界」、「植物界」、「原生生物界」といった分類があるようですが、ネットで調べてたところ、この分類には種々の説もあるようです。
「昆虫は「節足動物」です。」とか塾のテキストでも出てきます。
これは、「門」の分類だそうです。(節足動物門)
なんだか、難しくなってきたようですが、ここでおばばが「植物」を覚えるために、おすすめの分類は、「科」だけに注目します。
例えば、サクラは何科ですか?といった問題が出ることがありますね。
→(答:バラ科)
そこで、塾のテキストでよく出てくる植物の種類を「科」毎にまとめて覚えてみてはいかがでしょうか。
そうすると、同じ科の植物は、そもそも似た性質を持っているから同じ科に分類されているので、「科」毎に、次の重要項目を覚えるのです。
〇裸子植物か被子植物か
〇単子葉植物か双子葉植物か多子葉植物か
〇主な特徴は何か(花の形、花びらの数など)
〇雄花と雌花に分かれるのか、分かれないのか
同じ科でも例外がある場合もあると思いますが、そのような例外については、別途「例外」として記憶するか、大変であれば、「例外」は覚えなくてもいいとも思います。
このようにすると、個々の植物の種類ごとに特徴を覚えなくても、「あれと同じ「科」だから、こんな性質かも。」といった類推ができるようになってきます。
まずは、重要な「科」について、よく出てくる植物の種類を覚えることが必要です。
例えば、「ウリ科」。
ウリ科は、雄花と雌花が分かれていて、これに関する問題はよく出ますよね。
そこで、ウリ科の代表的な植物を頭に入れてしまえば、それは、全部、
「雄花と雌花に分かれる!」
と回答すればいいことになります。
それでは、ウリ科の植物を、どのように覚えるのかです。
身近な野菜や植物から連想するのがおすすめです。
「ウリ科」なんだから、「ウリ(瓜)」だよね!
そして、「キュウリ」。(「ウリ」がつきますからね!)
そして、カボチャ、スイカは漢字で書くと、「南瓜」、「西瓜」だから、ウリ科。
ゴーヤもキュウリと形が似ているし、別名が「ニガウリ(苦瓜)」だから、ウリ科。
よく小学校で育てるヘチマも、キュウリのでかいヤツと考えて、ウリ科。
ひょうたんも、変わった形のウリなので、ウリ科。
こんな風にして、
「ウリ科」:キュウリ、カボチャ、スイカ、ゴーヤ、ヘチマ、ひょうたん
を覚えます。
そして、「雄花、雌花に分かれるのは、ウリ科」と覚えておけば、大丈夫です。
そして、「ウリ科の花は、花びらがつながっている合弁花」なのも覚えておきます。
次に覚えるとしたら、「イネ科」です。
「イネ科」は、日本人の生活に密接に関係しているし、単子葉植物の代表的なもので、花の形状も花びらがないなど特徴的なので、良く出題されます。
「イネ科」なんだから、まずは「イネ」です。
イネの特徴である、葉っぱとか花の形は、塾のテキストでよく覚える必要があります。
そして。
イネは、「風媒花」(風で花粉を飛ばして受粉する)であることを覚えます。
風媒花なら、昆虫を花に集める必要がないので、昆虫を呼び寄せるための花びらは必要ありません。
これで、イネの花は、「花弁(花びら)」、「がく」の無い不完全な花であることを覚えることができます。(花びらはないけど、「えい」という名前のだ円を割ったような形のものが花を守ってます。)
あと、葉っぱは、非常に細長くて、葉脈が平行に走っていますね。
「葉っぱが、細長くて、葉脈は平行」なのは、「単子葉植物」です。
→これは暗記が必要
単子葉植物は、発芽の時の葉っぱは、1枚で縦に細長い葉になります。
→「子葉」は「葉っぱの子ども」と書くことから分かるように、発芽直後に出てくる葉のことです。「単」は「一つ」の意味なので、「単子葉植物」は、発芽時の葉の数は1枚。これは暗記しなくても、名前から分かります。
(双子葉植物は発芽時の葉の数は2枚(例外があるけど中学受験では覚える必要なし)。多子葉植物は、発芽時の葉の数は3枚以上。)
このように、イネの特徴を覚えれば、同じような特徴を持ったイネ科の仲間も覚えやすくなりますよ。
イネから米がとれることを考えれば、穀物に同じイネ科が多いことも覚えやすいです。
イネ科の穀物としては、コムギ、オオムギ、トウモロコシ。
それから、葉っぱが細長くて、平行脈との点で似ていてイネ科の植物は、ススキ、タケ、ササ、サトウキビ。
イネ科としては、これ位覚えておけばいいと思います。
それから、重要なのは、キク科。
キク科の花は、皆さん、なんとなく似ていますよね。
キク、タンポポ、ハルジオン、ヒメジオン、ダリア、アザミ、ヒマワリ、コスモス、ゴボウ。
これ位は覚えておく必要がありそうです。
ゴボウ、レタスは、野菜として身近わけですが、「キク科だったの?」と意外な感があるので、覚えておくとよさそう。
キク科のタンボボの葉っぱを見れば、葉脈は平行ではないので、単子葉でなく、双子葉であることがわかります。
キク科の花弁は、たくさんあるように見えますが、5枚となっているそうです。
(ガクの数も5)
引っ掛かりやすいので要注意です。
(タンポポは小さい花が集まって、黄色の一つの花にように見えることにも注意)
それから、頻出なのが、アブラナ科。
こちら、アブラナ、なずな、キャベツ、だいこん、はくさい、ブロッコリーです。
アブラナ、なずなは、よく見かける草であり、アブラナは油を採るのにも使えます。
そして、キャベツ、だいこん、はくさい、ブロッコリーは、よく食べる野菜なので、アブラナ科は重要で、中学受験にも出やすいんですね。
まずは、特徴は、花です。
アブラナの花が咲いていたら、子どもに見せて、花びら、がくが4枚づつの十字の形の花であることを覚えてもらいたいですね。(花弁は、アブラナ科が4枚、イネや裸子植物が0枚、それ以外は5枚と覚えればよいと思います。)
あとは、モンシロチョウの幼虫はアブラナ科の葉っぱが大好き。
こんな感じで、「科」毎に、代表的な植物(野菜や身の回りにある植物が多いので実物を見て覚えたいです。)とその特徴を覚えれば、植物の問題も、それほど怖くなくなるのではないでしょうか。
今回は、ここまでです。