「二月の勝者」第4巻にこんなシーンがありました。
6年生の夏。
桜花ゼミナールのエース島津君が、お父さんの用意した中堅校の過去問に取り組みます。
「お前なら、もうそこそこの入試問題なら解けるだろう。」
意気揚々とタイマーのスイッチを押すお父さん。
ところが。
入試問題は思いのほか手強く、時間内に終わらずに焦る島津君。
「今頃こんな問題に時間がかかっているようじゃ…絶望的にゴミだ。」
怒り狂ったお父さんは、問題集をお母さんに投げつけたのでした。
「なんて酷いお父さん!!」
全読者が憤った瞬間でした。
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このシーンを読んだ時は、我が家はまだ受験学年ではありませんでしたが、島津君のお父さんの酷い態度とともに、焦って早い時期に過去問に取り組んでも良い結果は出ないということが、深く印象に残りました。
そして、月日が流れ。
我が子の学年が、二月の勝者に追いついてしまいました。
天王山を迎えた、今年の夏休み。
ついに、禁断の過去問に着手しました。
「〇〇校の問題をやってみたい!」
と、第一志望校の名を挙げるピヨ太。
おばばは、二月の勝者で予習済み。
「第一志望校は、まだ無理だよ。今の時期は、仕上がっていないから、どこの学校であっても、過去問自体が難しい。あくまで練習でトライしてみよう。」
白羽の矢が立った学校は。
2月の状況次第では、4、5日目に受験する可能性のある学校です。
願書は出す予定ですが、受験するかしないか、まだ分からない学校。(1日目の学校にご縁を頂けたら受験しない予定なので、むしろそうであってほしい。)
過去問の問題集は、購入していません。
そこで、日能研の前期日特テキストを使いました。
前期日特テキストは2020年の過去問が載っています。今月に配布される後期日特のテキストは、去年度(2021年)の過去問が載っているそうです。
前期日特テキストの中から、目当ての学校の問題に取り組むこととしました。
4教科、時間を計って取り組みました。
「あの島津君が苦戦したんだから、僕もできないだろうね。」
と、やはり二月の勝者を全巻読んでいるピヨ太もしたり顔。
「気楽にチャレンジしてみよう。」
と、おばばも優しく励ましてみて。
いざ、採点。
その時に気がつきましたが、日特テキストの解答には、配点が載っていないんですね。
おばばの方で、それぞれの配点を考えて割り振って、採点をしました。
「けっこういけた気がする。」
と、ピヨ太。
正確な配点は分からないので何とも言えませんが、どうやら合格最低点を超えているようです。
そんなことがあるのでしょうか!?
びっくりが覚めやらぬうちに、今日届いた「二月の勝者」12巻を読み始めました。
※ここからは、ネタバレがあります。
過去問で、熱望校の合格者平均点を超えたりいさちゃん。普段の成績からは想像できない結果に、驚く佐倉先生。
残念ながら、それは実力ではなく、ズルをした結果でした。
「ピヨ太も、過去問で良い結果を出した!」
おばばの頭の中に、りいさちゃんがよぎります。
でも、「解き筋」が全く書かれていなかったりいさちゃんの解答用紙とは違い、ピヨ太の解答は「解き筋」だらけ。やはり、自分の力で頑張った結果なのです。
あの島津君が出せなかった結果を、ピヨ太が出すことなんてあるのだろうか。
おばばは、色々とネットで情報を集めてみました。
すると。
・難関校志望者は、夏ごろから過去問を始めている。
・開成中志望の島津君が、夏に中堅校の過去問に歯が立たないなんて、むしろ大丈夫か。
というような意見を書かれている方が多かったです。
二月の勝者は取材力の確かさで知られていますが、ここ数年の中学受験の進化は、作者の想定を超えているようです。
ともあれ、予想外に良かった結果に、ようやくスタート地点に立てたような気がして、嬉しい1日となりました。
今回は、ここまでです。