今回は、中学受験・大学受験を考えている子どもは、家の手伝いをやった方がいいのかどうか、についてです。
4人のお子さん(3男1女)が東大三に合格し、子どもの受験サポートのノウハウ本で有名になった「佐藤ママ」は、「手伝い不要派」です。
「手伝い」というと、片付け、掃除、料理などの家事を指すことが多いですね。
「佐藤ママ」は、大学受験までは、このような「手伝い」は、「今やるべきことではない。」と著書にも書いています。
・「手伝い」をするくらいならば、その分少しでも勉強した方が良い。
・雑誌には「手伝いをする子に育てる。」などとあるが、そんな子に育たなくてもよい
のではないか。勉強や遊びなどに時間を使った方が良い。
・家事位は大学入学後に必要に迫られれば、すぐにできるようになる。実際、自分の子
ども達もそうだった。
といった考えのようです。
一方で。
以前の記事にも書きましたが、超難関中学の校長先生には、佐藤ママとは違った考えを持っている方も多いようです。
詳細は、上の記事にありますが、難関中学の校長は、「自分で自分のことができる」とか、「幅広い経験」を重視しているようです。
これは、
「超難関中学は、人工知能などデジタル化がどんどん進展する社会において、記憶力、計算力、論理力、処理スピード、読解力などの従来型の能力に加えて、「将来、自分で考えて、機械ではできない新しいことを生み出し、人とコミュニケーションしながら国際的に活躍できて、社会にも貢献するような人材」を望んでいる。」
のではないかと思っています。
また、自分の身の回りのことに自分で責任を持つことが、本人の自立を促し、自ら勉学や仕事、そして自分の人生に取り組む姿勢につながる面がある、と考える校長先生が多いのでは思います。
そうすると、「手伝い」は、やった方がいいのか、不要なのか、どちらが正しいのでしょうか。
そもそも、やるのかやらないのか、という2者選択がおかしいのかもしれませんし、たいていの子どもは多少なりとも「手伝い」を経験しつつ、成長していくのかもしれません。
それでも、子どもが積極的に「手伝い」に関わるようにした方がいいのかどうか、考えちゃいますよね。
勉強して学力をつけて、受験で成功することを唯一、最大の目的としたうえで、効率のみを考えれば、佐藤ママのいうように、「手伝い」は不要で、その時間を勉強に使う方が学力が向上するのは確かでしょう。
大学合格は、確かに重要だと思います。
その後の就職、人生に役立つと思うから、大学を目指すのでしょう。
それでも、子どもに達成してほしいことは、大学合格だけではありません。
自分に責任を持ち、自立すること。
家事を通じて、人生の幅を広げること。
(美味しい料理は人生を幸せにするし、DIYを趣味にする方もいます。)
家事をこなせるようになって、将来、家族が協力して家事をすることで、家庭を支えていくこと。
このような子どもの人生に重要なことを達成するのに、「手伝い」は、その一助となるのではないでしょうか。
また、実際問題として、例えば共働きの家庭では、母親が佐藤ママのように、子どもの世話や家事を全て完全にカバーするのは無理だと思います。
自然、子どもにも少しは「手伝い」をやってもらうことで、家庭を回していくということもあっていいのでしょう。
もちろん、小6や高3ともなると、「手伝い」をしている場合ではないので、そこは両親がカバーするのがよいと思います。
でも、そうでない場合は、積極的に「手伝い」をやってもらうことは、子ども本人のためにも重要なことではないかと、おばばは思っています。
今回は、ここまでです。