今回は、「曰くつきフランス人形」が落札されていたことについてです。
このフランス人形は、メルカリに出品されていました。
そして、商品説明は以下の内容になっています。
①20年程前に全焼した家の跡地で毛布に包まれていたのを拾われたもの
②前の所有者から70万円で買った後、一週間で、前の所有者が死亡
③人形を買ったすぐ後、自分の親戚が相次いで亡くなる。従妹夫婦が、夢にこの
人形を見た後、死産。人形のある部屋でボヤ発生
④5年程前に、聖水を振りかけ、ロザリオを首から2つ首から通したら不運はなく
なり、忘れていた。
(注)ロザリオ:ウィキペディアによると、聖母マリアへの祈りに使う数珠)
⑤先日、親戚が亡くなったことで人形を思い出し、確認したところ、ロザリオの一
つが弾けるように外れていたので、手離すことにした。
こんな説明で、45万円(だったかな?)の金額で出品されていました。
それが、2022/11/14、35万円で落札されていたのです。
なかなかに、不気味で禍々しい人形に思えます。
そこで、この商品のコメント欄を見てみると。
〇「売買は危険です。これはマジでやばいやつです。」
〇「昨夜この商品ページを拝見した直後に、外から救急車のサイレン音が聞こえて
きました。近所に病院があります。」
〇「前の人は70万円で売ったので不幸になったのではないでしょうか。金銭が絡
むと良くない気がします。5円(ご縁)でどうでしょうか。」
〇「これは特級呪物に違いありません!かく言う私も、こちらの人形をみてからマ
クドナルドに行ったところ注文したチキンナゲットにバーベキューソースが入っ
ておらず、世界最大の不幸に見舞われました。」
などのコメントで盛り上がっていました。
なかなか、そんじょそこらの怪談話よりも、ゾッとする感もあり、コメントも、こわ面白くなってます。
さて、冷静に考えると、この人形の話に出てくるのは、ほとんど、親戚や従妹。
昔から、ずる休みのための作り話に使われるのは、親戚や従妹の結婚式や葬式と相場が決まっており、この言い訳を多用したことで、
「あなた、親戚や従妹、多すぎ!」
と突っ込まれる、というのが定番の笑い話。
そもそも、不幸が人形の力で発生する訳はないし、そのような力を心から信じている方が、その人形を70万円をかけて、わざわざ購入するとは思えません。
または、本当に人形にそのような力があるのなら、それは科学を超えた未知の力であり、メルカリで35万円で売らなくても、米軍が1千万円位で買ってくれそうな気がします。
そうだとすると、出品物を高値で売るための作り話ということになります。
このような話を作り上げて、35万円を売り上げたということは、これは、出品者の独創的な創作力の為せる業、といったところでしょうか。
そして、35万円で落札した方は、更なる不幸話を付加することで、もっと高額で転売するつもりなのでしょうか。
そう思って、落札者のコメントを読んでみると。
「無事に受け取りました!大満足の取り引きでした!」
テンション高めの、軽快なコメントです。
35万円で曰く付きフランス人形を買って、すぐに大満足とは?
買った直後から、不幸に見舞われて、”これは本物の呪物だ”と思ったのでしょうか?
それとも、「呪術廻戦」でも読んで呪物マニアになり、35万円でも惜しくないと思ったのでしょうか。
ここで、一番ありそうなのが、出品者と落札者とが知り合いのケースです。
このような落札劇をオープンにすることで、”呪物”に箔がついていって、いつか、本当に35万円とか、45万円で売れるようになることを狙っているのでは。
古今東西にある呪物の話も、このような意図的なものかどうかは別として、たまたま不幸が発生したのを「呪物」と結びつけて話をすることから始まり、その後、「呪物」に更なる話が付加されていくことで箔がついていったのではないでしょうか。
そうだとすると、こんなところで「曰く付きフランス人形」について書いているおばばも、出品者の高度な戦術に乗せられていることになります。
ということで、今回は「曰く付きフランス人形」の話でした。
関心のある方は、メルカリアプリで「曰く付きフランス人形」を検索下さい。
今回は、ここまでです。