今回は、ネパールにお金になる木が育っていたことについてです。
クーリエジャパン(2024/4/29)、日経新聞(2019/5/20)に記事が載っていたので、ポイントを紹介します。
・舞台は、世界最高峰の山々とインドのダージリン地方の茶畑に挟まれたインド東部の地域。この地域では、希少なランが育ち、緑豊かな丘陵地ではレッサーパンダが遊ぶ。
・だが、ここでの生活は厳しい。ある農家は、トウモロコシやジャガイモの生産は、野生動物に荒らされて断念した。そこで、ヒマラヤに自生する常緑で黄色い花を咲かせる「アルゲリ」を育てることにした。
・「アルゲリ」は、高い価値はないが、動物に食べられることはなく、柵をつくるための原料や薪に使われる。
・この「アルゲリ」は「ミツマタ」の近縁種。「ミツマタ」は繊維が強く、独特の手触りがあることから、日本の紙幣の原料として使われてきた。
・ところが、国内の生産地の過疎化が進み、調達が難しくなったため、2010年から日本の紙幣を印刷する印刷局は、外国産の仕入れに踏み切った。
・2018年度の外国産のミツマタの調達は72トン。そのうち、60トンがネパール産だ。国内の調達量は6トンに留まっている。
・ネパール東部の「ミツマタ」生産拠点は約30か所。いずれも標高2千メートル級の高地で、契約農家が栽培から、収穫、加工まで担っている。木を蒸して樹皮をはぎ、一晩水にさらしてから乾燥させる日本式加工技術は、日本の政府刊行物専門書店「かんぽう」の現地法人のネパール人スタッフが指導した。
こんな内容でした。
遥かネパールの標高2千メートルの高地で栽培されたミツマタの皮が、日本のお札になっているなんて、なんとなくロマンがありますね。
7月4日からは、1万円札、5千円札、千円札の新紙幣が発行されますが、これらのお札にもネパール産のミツマタが使用されることでしょう。
現地の農家の方にとって、ミツマタは、"お金のなる木"ならぬ、文字通り、”お金になる木”なのですね。
今回は、ここまでです。