米国の共和党は、衝撃的な銃撃事件の2日後の7/15、大統領候補としてトランプ氏を正式に指名。
そして、副大統領候補には、「バンス氏」が指名されました。
(Bloomberg HP より)
このバンス氏の人物像について、朝日新聞(2024/7/16)に記事が載っていましたので紹介します。
・バンス氏は、オハイオ州選出の上院議員。白人労働者層が多い「ラストベルト(さびついた工業地帯)」の出身
・2016年に出版した自叙伝でラストベルトの苦境を描いてベストセラーに
・「高校生の頃、薬物などで転落寸前だった」
・その後、オハイオ州立大、イエール大学のロースクールを卒業
・バンス氏の著書が注目を集めたのは、高学歴のエリートとなったバンス氏が、米エリート層に支持者の多い民主党ではなくて、共和党のトランプ氏を支持する理由が書かれていた点
・バンス氏は、トランプ氏が初めて大統領選挙に挑んだ2016年には、トランプ氏に批判的な立場だった。
・しかし、2022年の中間選挙でオハイオ州から上院議員に立候補すると、それまでの立場を一転。上院議員立候補前には、それまでのトランプ氏に批判的なツイッター(X)の投稿も削除。
・上院議員に当選後、2024年の大統領予備選では、トランプ氏の集会に足しげく通い、忠誠を示す。
・米デイトン大学のデバイン准教授によると、バンス氏は、発信能力が高く、「トランプ氏のような見解を語っても極端には聞こえない。トランプ氏の政策を効果的に伝えることができるだろう」
こんな内容でした。
そうなんですね。
また、トランプ氏は、バイデン大領領への批判を中心に据える予定だったが、銃撃事件が起きたことで、米国に「団結」を呼びかける方針に転換したと保守系メディアに明かした、とのことです。
銃撃直後のトランプ氏のガッツポーズは、強いアメリカ大統領を求める層には大きなアピールとなったでしょうし、銃撃を受けたことである種の応援表や同情票も入り易くなった可能性があります。
そして、エリート層への主張の浸透が十分でなかったとの説があるトランプ氏ですが、エリート層であり、また、トランプ氏と比較するとやわらかい印象で発信力の高いバンス氏は、選挙戦の大きな力となりそうです。
また、トランプ氏は、米国に分断をもたらした張本人の一人ですが、今や米国の大きな問題となった「分断」に対して、「『団結』を訴える」との方針も強力な戦略ですね。
自分の弱みをアピールポイントに変える“巴投げ”のような技に感じます。
他方の、バイデン大統領は、高齢からくる体力の低下や演説の言い間違い、トランプ氏との討論で精彩を欠いたことから、厳しい状況のようです。
「もしトラ」って言葉が流行りましたが、実際はトランプ氏が当選する可能性は低いのでは、と思っていました。
けれども、これで十分トランプ氏の当選の可能性も出てきましたし、現時点ではむしろ、トランプ氏に風が吹いている感があります。
(自分としては、どちらかと言えば、共和党より民主党の立場に賛成なのですが。。)
トランプ氏の当選も、「もしも」といった話でもなく現実的な可能性が出てきたため、返って、「もしトラ」という言葉も廃れるかもしれません。
11月の米国大統領選、目が離せなくなってきましたね。
今回は、ここまでです。