今回は、ローカル鉄道の救世主は台湾人! についてです。
週刊エコノミスト(2024/10/15・22合併号)にジャーナリストの金子長武さんの記事が載っていましたので、紹介します。
〇金子さんは今年3月下旬、山形新幹線が停車する山形県南陽市の赤湯駅に降り立って、山形鉄道フラワー長井線のホームに向かった。
〇停車していた1両だけの車両に乗り込むと乗客は自分以外に4人だけだった。
〇ところが、発車間際に20人ほどのグループと制服を着た添乗員が乗ってきた。マイクを手にした添乗員が外国語で説明をすると団体客は大いに盛り上がった。
〇聞けば、台湾から来た環境客という。フラワー長井線の車窓からは、春から秋にかけて色々な花が見られるが、なぜまだ肌寒い3月に訪れたのか。
〇台湾から来た40代の女性は、
「台湾ではほとんど雪が降らないので、雪景色を見たくて来た。」
〇フラワー長井線は、国鉄長井線だったが乗客数が少なかったことから廃止になり、1988年に第三セクターの山形鉄道が経営を引き継いだ。近年も利用者減が進んでいるが、台湾人の観光客は増えている。
〇2023年度に乗車した台湾人は4850人で、定期券利用者を除いた利用者の4%を占める。
〇台湾人観光客が増えたきっかけは16年前、町の観光ユリ園の駐車場で雪遊びをするイベントだった。
〇台湾の旅行会社と付き合いのある営業マンを通じて900人もの台湾人が来訪。それ以降、現地の旅行会社にプロモーションを続けている。
〇また、千葉県銚子市の銚子電気鉄道も、台湾人観光客の誘致に力を入れている。
2017年には、台湾の在来線であるスオウ線と”姉妹鉄道”の提携をした。
〇そして、昨年7月には、企業向けに台湾進出の支援などを行う会社を経営している台湾在住の大湾文子さんを取締役に起用
〇台湾の旅行大手によると、
「台湾には何度も日本を訪れ、有名観光地は飽きたという人が多い。美しい景色と自然が楽しめる田舎を巡るツアーが人気がある。昨年6月から海外鉄道の部局を立ち上げ、東北地方のローカル線の乗車を盛り込んだツアーを募集したところ、申し込みが殺到した。」
〇山形鉄道によれば、
「台湾人観光客は、キーホルダーやクリアファイルなどのグッズの購買意欲が日本人より高く感じる。グッズの売上げは無視できない。」
こんな内容でした。
そうなんですね!
アジアから日本への旅行者と聞いたときに、自分がまず思い浮かぶのが、中国人や韓国人です。
なので、「台湾人をターゲットにするといっても、日本への旅行者がそんなに多いのかな?」
と思いました。
ところが、2019年には中国人の日本への観光客は台湾人観光客の2倍程度だったのですが、コロナ禍を経て2023年には、台湾人環境客の数の方が多くなっているそうです。
(距離的に近いこともあり、韓国人が訪日観光客数1位とのこと)
これは、意外に感じました。
日本の誇る自然の風景を求めて台湾人が訪日するのであれば、これは、日本や日本人をもっと好きになってもらう良い機会にもなるのではないでしょうか。
東北の方にとっては大変な「雪」も、外国人には魅力的に映ることがあるんですね。
また、ヨーロッパの人にとっては山が連なる景色も珍しいようで、山地の多い日本には、強力な観光資源が尽きない感があります。
近年の円安も手伝って海外の方が日本に観光に来やすい環境でもあるし、どんどん来日していただいて、日本の良さを分かってもらい、日本人に好感を持ってもらい、そして、お金も落としてもらえるといいのでは、と思いました。
今回は、ここまでです。