今回は、押し寄せる中国新移民、「御三家」から東大へ! についてです。
週刊エコノミスト(6/10・17号)に記事が載っていたので、概要を紹介します。
〇今年(2025年)3月下旬、「SAPIX小学部」の校舎前で、20人を超える中国人の母親が、大声で中国語を話していた。この日はSAPIXの保護者会。このようなグループは子供の偏差値に応じて、保護者もグループ分けされている。
〇子供の教育に熱心なことで知られる中国人、特に富裕層は、幼い頃から塾に通わせたりして有名大学に入れようと躍起になる。そうした富裕層が、日本に拠点を移す動きが広がっている。「潤日(ルンリー)」と呼ばれる。
(「潤(ルン)」は、発音が英語の「RUN」に近いため「走って逃げる」の意から、中国を脱出して海外に移住することの隠語となっている。)
〇中国から来日する富裕層は、新型コロナ禍以降、中国での都市封鎖以降に急増した。政府への不信、不動産不況といった将来への悲観から「潤(ルン)」が加速している。
〇そして、日本への移住は世界的にも安価だ。500万円を元手に起業するなどすれば、長期滞在ビザを手にすることができる。そして、日本への「教育移住」が進んできた。
〇そして、中学受験における中国系の存在感は高まっている。「御三家」にも相当数いて、ある「御三家校」では、この春に入学した生徒のうち、名字で中国系と推察される割合は15%前後だった。
〇”難関中学から難関大学に進学する”というのがメインシナリオ。最近では、「北京大に入るより東大に入る方がやさしい」との教育関係者の声も聞かれる。
〇中国では、人気校に通わせる資格を得ようと幼いうちから希望の学区に引っ越しをする例は珍しくない。このような習慣からか、日本への移住で人気があるのが、東大のある文京区だ。
〇そして、トランプ大統領の外国人留学生受入れ資格停止によるショックが、中国人留学生を震え上がらせている。こうした中、中国人の経営する中国人向けの進学予備校の中には、米国在住の中国人留学生を日本に呼ぶ活動も進めている。
〇また、日本のインターナショナルスクールに子供を入れる中国人富裕層も増えている。
〇あるインターでは、2022年頃から中国人の問合せが増え、現在では700人の生徒のうち中国人比率が2割を占めるまでになった。一人っ子政策の影響で過保護に育てられた「小皇帝」が勝手なふるまいをして学級崩壊寸前になったり、「小皇帝」の親がモンスター化して先生が離職する例も。
〇受入れ側も、多くのインターでは、願書の段階で審査を強化に乗り出した。中国人親でも日本企業への駐在員の場合は比較的スムーズに入学できる。一報で、「経営・管理ビザ」で滞在する中国人の子供は、親が設立間もない不動産会社の社長であるようなケースが少なくない。このような場合は、願書の段階で優先順位を落としている。
こんな内容でした。
そうなんですね!
断片的には、中国人がSAPIXや難関中学、そして、東大などの難関大学への入学が増えているという話を耳にしますが、このようにまとまった記事を読んでみると、改めて、コロナ以降の変化に驚いてしまいます。
特に、ある「御三家」校では、今春の入学者の15%が中国系とはビックリですね!
トランプショックの影響で、今後は米国から日本へのシフトもあるかもしれず、今後、中国人富裕層の日本への「潤(ルン)」が、益々増えていきそうです。
日本経済にメリットのある面もあるでしょうから、一概に拒否感を持つのも良くないとも思いますが、学校や大学への補助も含めて、ずっと税金を払い続けている日本人と、良いとこ取りを目的とする中国系の方との公平性も考えて、適切な対応を取っていければいいのではないでしょうか。
今回は、ここまでです。