今回は、中国を脱出して日本に暮らす中国人富裕層が日本のビザをどのようにして取得するか、そして、現金一括で不動産購入方法についてです。
週刊エコノミスト(6/10・17号)で紹介されていましたので、簡単にまとめてみました。
まずは、中国人の日本ビザ取得方法からです。
〇中国人の移民方法には、若くて優秀な人材なら留学や就職といった手段が多い。
〇学歴も財産も無ければ移民ブローカーを使った密入国を選ぶ者もいる。
〇そして、移民先の国に投資して長期滞在ビザを得る「投資移民」がある。
〇例えば、米国の投資移民ビザは、約1億5千万円の投資と、ビザ取得後2年以内に米国人を10人をフルタイム雇用することが条件。ちなみに、トランプ大統領は約7億5千万円の移民投資ビザ、通称「ゴールドカード」の構想を示している。
〇日本の場合は、米国よりも安くて、500万円で経営ビザを取得できる。ただし、そんなに甘いものではなく、経営実態がないとと更新が認められない。2024年に経営ビザの中国人への発給数は3071件(ただし、この数には中国の会社の日本支社長なども含まれている)。
そして、不動産の購入方法です。
〇中国人富裕層は、日本の不動産を現金一括購入することが多い。
〇中国から海外への正規送金は難しい。年間約725万円までしか持ち出せず、それすらもスムーズには動かせない。
〇このため、地下銀行を使うことが多い。
〇地下銀行のプロセスは、親しい人に業者を紹介してもらう。業者は、日本円を現金で用意。
〇その業者に、LINE(ライン)で連絡する。中国でよく使われるチャットアプリは目を付けられるから使わない。
〇そして、業者に指定された中国の銀行口座にスマホの銀行アプリで入金。すると、日本円の札束を渡して貰える。
〇地下銀行と聞くと日本人はぎょっとするが、中国では珍しくなく、古くからあって「普通のもの」として受け入れられているらしい。
〇地下銀行以外にも、暗号資産や美術品が利用される場合もある。
〇更に、超富裕層なら、香港に既に多額の資金を有していて、そこから別の国に移すのは簡単
こんな内容でした。
日本でのビザ取得や、地下銀行による多額の日本円の入手など、色々なことをやっているんですね。
中国人の中でも富裕層の間では、色々とノウハウ共有があるのでしょう。
日本での経営ビザは500万円で、米国での投資移民ビザは1億5千万円と聞くと、日本ももっと値上げしても良い気もします。
一方で、中国人富裕層は、日本でお金を使ったり、中国本土とのビジネスのつながりで日本にお金が流れてくる窓口となる場合もあるでしょうから、日本の経済を考えると一概にビザの費用を高額にすればよい訳でもなさそうですね。
今回は、ここまでです。