こんな夢を見た。
夏目漱石の「夢十夜」はそんな言葉で始まる。
よく覚えていないけれども、こわくて面白くて美しい印象の夢のお話。
こんな夢を見た。
おじじに揺さぶられて起こされた今朝、あの小説の冒頭を思い出した。
「随分うなされていたよ。起こしてあげた方がいいかと思って。」
「う~ん。確かに、苦しんでいた。」
「どんな夢を見ていたの?」
「それは・・・」
こんな夢を見た。
我が家だけど、我が家とは違うマンションの一室。
でも、夢の中で、これは我が家だと分かっていた。
おばばは、まだ寝ている途中。
バタバタとした足音。叫び声。何かが倒れる音。
「う~ん、騒がしいなあ。」
寝ぼけながら起き上がってみると。
家の中を、子どもたちがバタバタと走り回っていた。
隣の家の5人兄弟。
実際の世界では、隣は老夫婦なのだけど、夢の中では大家族の設定になっていた。
何とか起き上がってリビングに行ってみると。
色んなものがひっくり返されて。
お菓子や食べ物の残骸が、あちこちに落ちていて。
子どもたちは、起きてきたおばばを見ても動じずに、きゃあきゃあ走り回っている。
「ここは自分の家じゃないでしょう。帰りなさい。」
声をかけると、相変わらずきゃあきゃあ走り回りながら、それでもパタパタと帰っていったが、まだ一人二人残っている。
何と、トイレまで詰まっていた。
夢の中のトイレは、おばばの胸の高さぐらいまであり、どうやって座るのか分からないが、とにかく高い位置にある。
そのトイレが詰まって、水があふれそうになっている。
そこで、ラバーカップを使って。
くっぱくっぱと頑張るのだが、水が減らない。
高い位置にあるので、腕が疲れる。
そこへ隣の家のおばさんが登場。
小柄でふっくらしていて、風呂敷みたいな模様の服を着ている!見たことのないおばあさんなのだが、夢の中では隣家の5人兄弟の母親という設定になっている。
「お宅のお子さん達が来て、大騒ぎして。トイレまで詰まってしまったんですよ!」
が、おばあさんは気にする風でもなく、
「子どもって、なかなか言うことをきかないんですよねえ。」
と言いながら両手を広げて、残った一人を玄関の方へ追いやって、一緒に出て行った。
おばばは一人で、ラバーカップでくっぱくっぱと頑張りながら、家も散らかり放題、ここから片付け掃除が大変なこった!とぶつぶつ言っているところを、おじじに起こされた。
夢かあ。良かったあ。
これをブログに書こうかなと思いながら、起きた。
そして今。
ここに書いてみて、こんなこと世間様に発表するような内容ではなかったなと冷静になってみて、思った。
今回は、ここまでです。