今回は、女子御三家に迫る高層化の波についてです。
以前、女子御三家の一つ、桜蔭の校舎の西隣にタワマン(タワーマンション)が計画されていることについて、記事を書きました。
・校舎の西館が全て西向きなことから教室に日が当たらなくなる
・以前もマンションの外廊下からカメラを向けられる被害があったこともあり、生徒のプライバシーが守れなくなる
ことから、桜蔭は反対の請願書を都議会に提出しているそうです。
(詳細は以下の記事参照)
そして、東京都千代田区では、日本テレビ跡地で、日本テレビが旧本社跡地に高層ビル建設を計画しているようです。
(2023/3/30:朝日新聞夕刊)
日テレは、2003年に港区汐留に本社を移転。そして、2013年から旧本社跡地利用の検討を始めて、現在、90メートルの高層ビルを建設する計画だそう。
これに対して、女子御三家の女子学院の事務長は、「就業人口が増えることで繁華街化するのではないか。にぎわいの中を通学路として使うのは好ましいことではない。」
女子学院は、雙葉、大妻と共同で千代田区長に要望書を出したそう。
千代田区は、日テレの計画について、「住環境や職場環境の質の向上に効果的ではないかと考えており、実現したい。」
地元アンケートでは、賛成と反対が拮抗しているとのことです。
就学環境としては、高層ビルが建設されて繁華街化するよりも、落ち着いた通学路が維持される方が、親としては安心感が高いのではないでしょうか。
そのような静かな環境を望んでいる地元の方も多いようです。
一方で。
高層ビル建設で、にぎわいが増す方が良い、と考える地元の方も多いそう。人が増えることによる経済効果を考えると、こちらの意見も方がいらっしゃるのも分かります。
桜蔭のタワマンと並び、こちらも難しい問題ですね。
そういえば、明治神宮外苑も多数の樹木が伐採されることに反対の住民が裁判所に訴えてもいるよう。
それぞれ、解決が簡単ではありませんが、明治神宮外苑にしても、女子御三家の周辺の落ち着いた環境にしても、それまでに培われてきたものが失われるのは一瞬でも、取り戻すことは、ほとんど不可能のように感じます。
土地の所有者は経済的なメリットから主張があるのは当然に思えます。
ここは、都や区が一方に肩入れするのではなく、落ち着いた環境をなるべく維持しつつ、事業者の利益も損なわないよう、関係の方や地元、女子学院・雙葉などの学校との調整してはどうかと思いました。
例えば、高層ビルを建設するにしても、高さをもっと制限した上、ビルのデザインも落ち着いたものとして、周りにはある程度の広さの緑地を確保するようにしてもらって、周辺の繁華街化にも一定の制限をかけるとか、色々と案はありそうな気がします。
今回は、ここまでです。