今回は、チャットGPTの文部科学省が学校での活用指針についてです。
朝日新聞(2022/4/7)によると、文部科学省は、チャットGPTについて、学校での活用方法や注意点をまとめた指針を策定する方針を固めたそうです。
既に情報端末が一人一台になっている小中学校では、ある問題に対する回答について、生徒が書いたものとチャットGPTが書いたものと比較するといった形で授業に取り入れた事例もあるそう。
文科省は、宿題をチャットGPTにやってもらうといった子どももでてくる可能性もあるので、取り扱いについての指針を作ることにしたとのこと。
一律に禁止したり、活用を求めたりすることはせずに、チャットGPTの回答を批判的にとらえたり、子ども自身の考えを深めたりする使い方のほか、使用にあたっての留意点を示すそうです。
使用に当たってのの留意点としては、宿題について、単にチャットGPTに聞いて出てきた回答をそのまま丸写しして提出することは不適当、といったような内容になるのではないでしょうか。
また、子ども自身の考えを深めるための使い方といった点も、当然のように思えます。
「一律に禁止したり、活用を求めることはしない」といった部分が、指針の内容として、実質的に意味を持つ部分になりそうです。
というのも、イタリアでは、個人情報保護などの観点からチャットGPTを一時禁止するなど、規制の動きが広がっているからです。
オーストラリアでも、一部に禁止の動きがあるよう。(以下の記事参照)
イタリア当局は、チャットGPTに入力した個人情報の扱いや、利用規約では利用者を13歳以上に限定しながら、実際には年齢を確認する仕組みがないことを問題視。
チャットGPTを運営する米国のオープンAI社は、年齢認証の仕組みを検討しているとのことです。また、差別的表現、暴力的表現やアダルトコンテンツを避けるようにしていて、GPT4では、このような内容が表示されることを82%減らしたそう。(2023/4/8:朝日新聞)
今後、学校においても、実社会においても、チャットGPTのような対話型人工知能の利用は広がっていくでしょうから、日本で、一律に禁止するよりは、学校で使い方を学ぶ機会があった方がいいと思います。
その意味で、「一律に禁止」は行わないという、文科省の作ろうとしている指針は一定の意義がありそうです。
今回は、ここまでです。