今回は、米国でスポーツ賭博が大人気なことについてです。
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が、違法賭博のため大谷選手の銀行口座からお金を盗んだ疑いで訴追されていることに関係して、米国のスポーツ賭博に注目が集まっているそうです。
朝日新聞(2024/4/21)に記事が掲載されていたので、ポイントをまとめてみました。
・2014年、米国のプロバスケットNBAのコミッショナーであるシルバー氏がニューヨークタイムズ紙への寄稿において、「スポーツ賭博を広く合法化すべきだ」と主張。驚きを持って迎えられた。
・米国のスポーツは、長らく賭博と距離を置いてきたためだ。
・例えば、1919年の「ブラックソックス事件」。賭博に絡んで金銭を受け取ったホワイトソックスの選手8人が永久追放され、大リーグの汚点になった。
・また、1989年には、大リーグ最多安打数の記録を持つピート・ローズ氏が野球賭博に関与したとされ、やはり永久追放された。
・しかし、米スポーツ界において人気低下の危機感が高まるようになる。社会における娯楽の多様化によってスポーツの試合が従来ほど人気が無くなり、もっとファンを引き付けなれば、と考えるように。
・そして、ファンに対する人気向上とともに、もっと収益も上げたいとの目的から、違法賭博が横行する中で、これを合法化することは業界にとって魅力的だった。
・そしてついに、2018年、米国の各地でスポーツ賭博の合法化が開始
・最高裁が、一部の州だけに賭博を認める規制法は違憲とする判決を下したためだ。
・その後、スポーツ賭博は爆発的に広がった。
・カジノ産業などの業界団体によると、現在、全米50州のうち、38州と首都ワシントンで合法
・賭け金でいえば、2023年には、全米で1198億ドル(約18兆円)。そのうち、業界収益は109億ドル(約1兆7千億円)に達した。
・カリフォルニア州では、今も禁止のため、水原氏は違法賭博を繰り返したが、近年の米国ではむしろ違法は例外
・最近のスポーツ賭博は、試合の勝敗や点差に賭けるシンプルなもの以外に、個人選手の成績や試合中の出来事についても賭けられる。ゲーム進行中に刻々と動くオッズに合わせて賭けることもできる。
・問題となりやすいのが、複数の条件を組み合わせて賭ける「バーレー」という賭け方。
組み合わせ数が増えるので、勝った時の払戻金はうなぎ登りだが、的中率は低く、勝つことはほとんどない。
・また、違法賭博の問題も残る。
・違法賭博の掛け金は、年間638億ドル(約10兆円)
・違法賭博は、納税せず、また、規制も守らなかったりする分、有利なオッズを示すことができる。
・このような米国の状況においては、規制が不十分で消費者保護のための警告徹底が十分との声もある。
・また、今なお、八百長の懸念もある。
・昨年12月に、賭けの集中した個人選手について、その選手が不自然な形で退場した疑いについてマスコミ報道があった。そして、今月(2024年4月)、NBAは賭博に関する規制に違反したとして、そのポーター選手を追放処分とした。
こんな内容の新聞記事でした。
米国で、こんなにもスポーツ賭博が人気とは知りませんでした!
日本でも、競馬、競輪、サッカーくじ(TOTO)は、賭博の中でも例外的に認められていますね。
中でも、競馬・競輪は、昔から「賭け」と結びついていたせいか、イメージが良くない面がありますが、TOTOは、サッカー人気が高まってから新たに「くじ」が導入されたせいか、イメージも悪くない気がします。
ただ、いずれにしても、「くじ」「賭博」は、全くおすすめできません。
「宝くじ」もふくめて。
米国の合法賭博のデータをみても、売り上げが「約18兆円」で、収益は「約1兆7千億円」。
売り上げの10%が利益になっているとの高利益が上がっている理由は、
「胴元が沢山とっている」=「賭ける人が損をしている」
ということになります。
宝くじでも、利益率を計算すると50%位とのことで、実質的に、勝った途端にお金が半分になっていることになります。
どうしても抑えられない方は、無くなっても問題ない資産の範囲で、新NISAでも使って”株”を買う方が、良いのではないでしょうか。
今回は、ここまでです。