今回は、「木彫りの熊」は100年前にどこから来たのか? についてです。
朝日新聞(2024/8/29)に記事が載っていましたので、紹介します。
・「木彫りの熊」は、かつて北海道土産の代表格だった。
・産地の一つである北海道の八雲町で、第1号の「木彫りの熊」が誕生してから今年で100年
・この第1号の「熊」は、明治期に北海道に尾張徳川家の家臣が八雲町に入植していた歴史による。
・第19代尾張徳川家当主の徳川義親は、1922年にスイス旅行で、お土産に「木彫りの熊」を買って帰った。
・そして、徳川義親が八雲町での農閑期の副業として、また、”高尚な趣味”として「木彫りの熊」の制作を奨励したことで、スイスの熊を手本に第1号の「熊」が作られた。
・八雲町で「木彫りの熊」の産業が存在したのは昭和初期まで。第2次世界大戦の激化とともに衰退し、戦後は作り手は数えるほどに。
・今でも八雲町では、「木彫りの熊」の制作講座があり、そこで、伝統がつながれている。
・「木彫りの熊」には、毛並みを細かく彫る「毛彫り」、毛を掘らずに面で構成する「面彫り」がある。戦後の北海道観光ブームで全国に広がった”サケをくわえた”「木彫りの熊」は、旭川など他の産地が中心だった。
そうなんですね!
「木彫りの熊」が、100年前の尾張徳川家当主のスイス土産に端を発していたとは知りませんでした。
(朝日新聞より)
上の写真の左側が徳川義親のスイス土産で、右側が100年前の八雲町の第1号の熊だそうです。
スイスの熊の方がかわいくて自分としてはこちらが好みですが、八雲町の熊は、よりリアリティを出すことで野趣の味を利かせたのかもしれません。
この話を読んで、一つの記憶が呼び起こされました。
自分が物心ついた頃から小学校位までだ思うのですが、そういえば、実家に「木彫りの熊」があったことを思い出したのです。
毛並みを細かく彫ってある「毛彫り」の黒い熊で、両方の手のひらに余る位の大きさでした。
サケをくわえていたので、八雲町の熊ではなく、旭川かどこかの熊だったのでしょうか。
自分が小さい頃は、当たり前のように家にあって見慣れていたのですが、中・高校生、大学生になるうちにいつも間にか目にすることが無くなっていました。
親がどこかにしまったのかもしれませんし、かさばるので処分したのかもしれません。
とにかく、数十年の間忘れていた幼少期の記憶が突然蘇ったことに、なにか大事な忘れ物を見つけたような気がしてうれしくなりました。
当時は、特段気に入っていた訳でもなかったのですが。
今考えてみると、両親が北海道旅行の土産に買ってきたのか、または、知り合いの北海道旅行のお土産に貰ったのか、どちらかなのでしょう。
懐かしい記憶を思い起こしたので、この週末にでも、久しぶりに両親に電話をかけて、
「あの黒い『木彫りの熊』、覚えてる? あれは、どんな経緯で家に来て、今、どうなってるか分かる?」
って聞いてみようと思いました、
今回は、ここまでです。