今回は、中学受験における親の「待つ力」の重要性についてです。
「待つ力」について考えてみたきっかけは2つあります。
一つは、「二月の勝者」11巻のまるみちゃんの話。(ネタバレあり)
もう一つは、新聞に連載している育児・教育ジャーナリストのおおたとしまささんのコラムです。
「二月の勝者」11巻では、塾の友達といっしょにJGを目指しているまるみちゃんの話がメインの一つです。
(画像はお借りしています。)
まるみちゃんの母親は「今の成績ではとても、とてもJG合格には届かない」と考え、親として「不合格になることで、子どもに悲しい思いをさせたくない、子どもを傷つけたくない。」との思いから、JG受験を諦めさせようとします。
それに対して、黒木先生は。
まるみちゃんの母親に、そして、全ての受験生の親に対しても、「待つことが親の仕事です。」「何もせず、ひたすらに子ども成長を待つ。これこそがこの時期(マンガでは11月時点)の親の一番大事な仕事です。」
そして、まるみちゃん本人は、「自分の夢であるJGを諦めるもんか。」と、学校では保健室登校だったけど、JGには内申書もあるので、自分の力で授業に出始めます。
これを知ったまるみちゃんの両親も、親がアドバイスして失敗を回避する道を選ばせるのではなくて、自分から困難を乗り越えたいと頑張るまるみちゃんを応援すべきと考えて、JG受験を応援することにします。
まるみちゃんの場合、本人はJG合格が夢であり、成績的には無理目であっても、高いモチベーションをもって努力を続けていて、成績も伸びていっていました。
こんな状況の場合、仮に志望校が偏差値的には難しくても、11月時点で第一志望を諦める必要なない! という意味での、黒木先生の「待つことが親の仕事」なんですね。
それでは、おおたとしまささんがいう「待つ力」は。
「待つ」とは、「もう焦らないと覚悟を決める。仮に入試本番まで、本気のやる気を出さないとしても、それが本人だと、ありのまま受け入れる。」
「これは、『待てば、子どものやる気を引き出せる』という意味ではない。」
「子どもを脅したり、追い詰めて勉強をさせ続けても、それはやる気とは違います。むしろ、他人から追い詰められないとがんばれなくなってしまったら、仮に第一志望に合格できたとしても、それは負の遺産です。」というのです。
無理やりに勉強させるのではなく、自分から、自分の力で勉強することが、これからの人生で重要なことなのであって、それを本人が自分で学ぶためにも、「待つことが必要」というふうに理解してみました。
これは、子どもの人生の本筋からいうとその通りですね。
その通りなのですが、本当に「勉強するように!」と誘導なしで、本人のやる気のみに頼っていては、圧倒的に勉強不足のまま、受験を迎えることになってしまうでしょう。
おおたさんの意見は、親が子どもに対して、過度に追い詰めたり、脅したりすることを戒めている、と受け止めた方が良さそうです。
今回は、ここまでです。