今回は、「安い日本」は何が問題なのか、についてです。
「安い日本」って、どういうことなんだろう。
調べてみると、主に、日本の物価・賃金・円安について、問題視する論調が、最近多くなっているようです。
この問題について、説明していた記事が、ダイヤモンドオンライン(2021年8月)にありましたので、要約してみると。
米国で活躍しているミュージシャンの大江千里さんの話を記事にしたものでした。
・日本の物価は安すぎて心配になる。
・日本には「ワンコインランチ」があるけど、ニューヨークじゃ、5ドル(約550円)ではサンドイッチ1つ買えません。
・大人気のラーメンだったら、1杯20ドル(約2200円)以上。
・替え玉やトッピングをして、ビールも飲むと50ドル(約5500円)。だいたい、「ワンコインランチ」って常軌を逸していると思います。
・500円弁当の背後には、食材費・容器の費用、料理を作る人、おかずをせっせと詰める人、せっせと運ぶ人、せっせと売る人があるのに、関わった人はちゃんと給料をもらえているんでしょうか。
また、週刊エコノミスト(2021/10/5号)では。
・回転ずしチェーンのくら寿司の米国店舗:1皿300円前後
・うどんの丸亀製麺の米国店舗:釜揚げうどん並 約600円
・ロスの本家ディズニーランド:1日パス 1万3千円~1万7千円
・このように、総じて2倍近い値段から、それ以上となっている。
消費者としては、物価が安いことは、いいことなんじゃないの?
と思ってしまいます。
ところが、エコノミストによると。
日本は、平均賃金(3万9千ドル)も低いそうです。
OECDの35か国中22位(1990年は22か国中12位)で、19位の韓国も下回るそう!
なるほど。
日本は、先進国の中では、物価も安いけど、給料も少ないのですね!
ということで、「物価上昇が必要」との経済学者の意見も掲載されてました。
けれども。
おばばは、経済を全く知らないですが、この「安い日本」、何が問題なんだろう?
日本での給料が低いとしても、物価も安ければ、必要な豊かさで暮らしていけるわけです。
実際に、今の状況では、贅沢をしなければ、最低限の生活はできる給料の方が多いのでは。
ところが、物価が上昇すれば、少ないながらの貯金も実質的に目減りしてしまいます。
おばばとしては、物価安いままの方が嬉しいです!
また、円安については、海外旅行や、日本人が海外留学、海外の事務所や研究所で仕事をするには、金銭的に苦しくなるものの。
でも、「日本の輸出には円安の方がいい。」のではなかったの?
輸出促進のために、円安への政策誘導もしてきたのではないでしょうか?
そうすると、「安い日本」って、本当に、すごく問題なのかしら?
円安といっても、ものすごく安いわけではない(今、1ドル=約112円)し、円安は輸出にもいい。
物価が安いのは、消費者としては歓迎です。
確かに生産側にお金が集まらなくて、賃金も伸びてないようだけど、その賃金で、安い物価の中、楽しく暮らしていけてる気がする。
一方で。
大江千里さんの言うように、ワンコインランチでは、売り手に利益が出ているのか心配になるのも分かります。
おばばの味方である100円ショップも、中国で安価に製造されてるとしても、日本への輸送代、売る人の給料、店の賃貸料などを考えると、驚異的な安さです。
日本では、賃金が低く抑えられているけど、それ以上に、物価が低くなっていて、企業が費用を切り詰め続けていることで疲弊して、競争力や持続性を維持できない状況までになっているということなのでしょうか。
そうであれば、そのような分かりやすい定量的なエビデンスが示されるといいのですが。
そうすれば、物価上昇による家計への打撃も、日本の将来のため、適正な範囲であれば、受け入れられるかも。
新聞とか雑誌とかの「安い日本」の問題を解説する専門家の方には、【何が問題なのか】、【既に、日本の企業は危機的な状況で、今より家計に打撃を増やしてでも、物価上昇を目指すべきなのかどうか】について、おばばにも分かりやすく説明してくれると嬉しいな、と思いました。
今回は、ここまでです。