今回は、家電を安売りできない制度を、日立・パナソニックが開始したことについてです。
朝日新聞(2023/10/5)に記事が載っていたので、ポイントを紹介します。
〇日立は、10月4日に、家電量販店などが勝手に値引きできない制度、「指定価格制度」を始めた。
〇対象は、最新のドラム型洗濯機2機種(価格は税込み37万円前後、33万円前後)
〇これは、国内家電大手では、パナソニックに次ぐ2社目
〇メーカーによる価格拘束は独占禁止法で禁じられているが、この制度は、店からの返品を受け付け、売れ残りのリスクを日立が負う形にして、法的な問題をクリア
〇「指定価格制度」は2020年にパナソニックが開始。現在、ドライヤーや卓上食器洗い機など約3割が対象。2024年には5割に増やしたい考え。
〇これは、長年、家電量販店に握られていた価格決定権をメーカーの手に取り戻そうとする動き。
〇他のメーカー関係者:
➢「パナソニックのように幅広い製品があれば一部の商品で失敗しても他でカバーできるが、そうでないところは難しい」
➢ネット通販が広まっても、家電量販店は展示ルームの役割を果たしており、メーカーの力は弱いので、「指定価格制度」は簡単には広がらないのではないか
そうなんですね!
色々と考えちゃうニュースです。
まず、節約おばばとしては、「指定価格制度」の家電は割高だと思うので、これらには手を出さないようにすると思います。
次に、「指定価格制度」が広がっていくかどうか、に関心があります。
今後、数年のうちに急速に広まっていく様子であれば、そうなる前に新規購入や買い替えを検討したいと思いました。
一方で。
経済全体を見れば、家電を含めて、モノが安いことは良いことばかりではないのかもしれません。
日本はモノ作りの産業で支えられている面があるとすれば。
外国から入ってくる素材やエネルギー価格が高騰しているのだから、最終製品の値段も上がらないとメーカーや流通に関わる企業の利益も出ないことになり、個人の給料も上がらないことになります。
個人の給料が上がらなければ、経済も良くなっていかないことになります。
とすれば、素材やエネルギーの価格が上がっているのと、ある程度は平仄を合わせて最終製品の値段も上がるのは日本の経済全体からみれば、悪いことではないのかもしれません。
(素材やエネルギー価格が上がっていなければ、給料が上がらなくても、モノが安いままであれば生活は支障ないのですが。。)
その方向に向かう一つの道が、家電の「指定価格制度」なのかもしれません。
もの作りの企業であるメーカーの力が削がれないようにして経済の力を強くすることと、個人の「安い値段で家電などのモノを買いたい!」との気持ちは、一致しないのですね。
おばばとしては、当面、価格に注意をして買い物を続けるつもりですし、そのような消費者が相当程度存在することを念頭に、企業も戦略を練る必要があるのではないでしょうか。
今回は、ここまでです。