お盆の時期です。
古来、日本では夏、特にお盆は、怪談の季節です。
暑い夏を、恐い怪談話を聞くことで、ゾッとして乗り切るということなのでしょうか。
あるいは、夏休みは子どもだけの泊まりのイベントがあったりで、夜、怪談話をしやすい状況にあるのでしょうか。
はたまた、お盆は、あの世から死者の霊魂が帰ってくると言われていることと関係しているのでしょうか。
ということで、今回は、新作の怪談話、「のろい人形」を紹介します。
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「のろい人形」(作:おばば)
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英国はロンドンの外れ。
曲がりくねった小路の奥に、ある洋館があった。
しばらくの間、人の住むことのなかった、瀟洒だが少し薄汚れた洋館。
その古い洋館の2階。
これまた古ぼけた、あまり明るくない燭台のランプが照らす廊下のつきあたりの部屋に。
くだんの人形があった。
その人形は、自分で動き出すからくりになっているという話だ。
その人形のスイッチを入れると。
長らく人に打ち捨てられていたので、電池がほとんど残っていない。
だから。
その人形は、歩くのが。
のろい。
(終)
この話を子どもにしてみたら。
半笑いで、ほんのちょっとだけ面白かった、とのこと。
親への忖度かもしれませんが、ちょっとでも面白いと言ってくれたので、よかったです。
今回は、ここまでです。