今回は、中学受験校の過去問の人気で見る来年の志望校の動向についてです。
過去問で有名なのは「声の教育社」ですね。
赤い表紙が印象的で、一番の売り上げを誇っているようです。
その「声の教育社」がYOUTUBEに投稿した動画が興味深いです。
前年と比較した過去問の出庫状況(過去問の売れ行きや人気と直結)が、どの程度なのかを%で示したデータと、そのデータから考えられることを紹介していました。
前年の過去問の出庫数を100%として、その年の出庫数を%で示したデータです。
例えば、ある中学の過去問について、今年の%が「110%」であれば、昨年と比較して10%増しの出庫数なので、その中学の過去問が昨年より売れていることになります。ということは、その中学の人気が上がっているのではないか、といった様子で紹介されてました。
その動画では、今年の出庫数の伸び率が高い中学について、トップ17位まで出ています。(なお、出庫率の%の今年を含めて3年分のデータです。)
以下が具体的なデータで、その後に書いたのがデータを分析した志望者の動向予想になります。
(一番左の数字から、2年前、昨年、今年の出庫数伸び率。数字は%)
1位:日本学園 100.6→(-) →178.4
2位:佼成学園 105.6→98.1 →114.4
3位:京華 110.6→101.8→113.5
4位:聖光 90.4→102.3→112.4
5位:浅野 99.7→(-) →111.4
6位:逗子開成 101.4→ 95.3→110.6
7位:海城 99.3→ 98.9→107.9
8位:東京都市大附105.4→106.3→107.4
9位:桐朋 90.7→101.4→107.2
10位:立教池袋 89.4→105.3→106.9
11位:成城 103.8→ 99.9→103.8
12位:栄光 94.8→ 97.6→103.7
13位:開成 90.5→104.2→103.6
14位:本郷 102.8→109.2→103.3
15位:世田谷学園 97.1→ 89.2→102.4
16位:早稲田学院 98.1→106.6→102.3
17位:立教新座 98.8→ 99.4→102.1
「声の教育社」の分析をおばば的に分かりやすく書くと、次の通りでした。
【神奈川の男子難関校が勢いを盛り返して、人気上昇中!】
聖光、栄光、浅野を見ると、2年前は、いずれも90%代の数字です。
これは、コロナの影響で、東京など離れた場所の家庭が、長時間の通学を敬遠した結果とのこと。
ところが、今年の数字は、いずれも、103.7%~112.4%と高い数字となっており、勢いを盛り返して、人気上昇している様子です。
また、神奈川の難関校は、2/2や2/3の受験が可能となっている中学もあるため、2/1との併願がしやすいといった点が、改めて評価されているのかもしれません。
今年の人気が上昇している様子は、逗子開成やサレジオでも見られるとのこと。
また、個別の注目校としては、東京都市大附属と日本学園が挙げられてました。
東京都市大学の前身は、武蔵工業大学は東急グループの系統を引く、伝統校で学生の能力にも定評がありました。
その附属中が、2023年から新規に、2/1午前の入試を実施するということで注目されています。
2/1午後は従来より入試が設定されていたのですが、同校志望者にはチャンスが広がったことになります。
過去問出庫数も、今年は107.4%と人気上昇中。
また、日本学園は、昨年12月に明治大学の系列化。
2026年度からは、「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」に生まれ変わり、同時に男女共学校になる。
明治大学への付属高校推薦入学試験による入学者の受入れも、29年度から始まるそうですよ。
【以下が声の教育社の動画:約22分】
【中学受験】2023年度入試中学過去問出庫状況の前年比較(男子校編)過去問が売れてる人気校、そしてねらい目校はどこ?※2022年11月時点 - YouTube
こんな背景もあり、今年の出庫数は178.4%となり、伸び率1位を記録しているようです。
親としては、なるべく良い環境を求めることを思うと、志望者動向は、コロナを受けた社会の状況や、学校制度の変更に影響を受けることになるのは自然なことだと思います。
今回は、ここまでです。