今回は、中国旅行における「お金」と「ネット」の苦労についてです。
週刊エコノミスト(2024/4/30・5/7合併号)に、ジャーナリストの高口康太さんが記事を書かれていましたので、ポイントを紹介します。
最近は、格安なフライト、LCCも多くあるので、中国旅行もいいかな、と漠然と考えていたときにこの記事を読んで、けっこう苦労が多いんだなあ、と印象に残りました。
それでは、早速、記事の内容です。
・中国では、現地の商店、飲食店、交通機関で代金を支払おうとすると、困難に直面することが多い。
・高級ホテルに泊まって、ホテルが手配したハイヤーで移動し、高級レストランや大手のショッピングモールだけしか行かないなら、クレジットカードを使えば問題なく中国旅行を楽しめる。
・ところが、庶民の生活を体験しようと思うと、すぐに立ち往生する。
・庶民的な店では、クレジットカードを受け付けない店が多い上、受け付ける店でも「銀聯カード」を含めて外国発行のカードは対象外というケースも多い。
・現金が使えない訳ではない。1995年に中国人民銀行法で、人民元による支払いを拒否してはならない、とされている。しかし、現金の「お釣り」を用意していない店は多い。
・けれど、最近の中国では、現金の入手自体が難しい。昨年(2023年)、日本のクレジットカードで人民元を入手しようとしたが、ことごとく失敗した。最終的には、人民銀行の支店に駆け込んでようやく人民元を入手できた。
・中国人の多くは、QRコード決済のアプリを使っており、人民銀行の2023年末の発表によると、モバイル決済の普及率は86%で世界一だという。アリババグループの「アリペイ」とテンセントの「ウィーチャットペイ」が2大アプリ。
・これらアプリは、外国の電話番号を登録して、外国発行のクレジットカードを紐づけ可能となったので、これを使う方法がある。
・それでも、外国人は、「身分証番号」を持っていないので、アプリをクレジットカードと紐づけても、地下鉄の乗車券すら買えないことがある。「身分証番号」を入力しないと、券売機で買えないことがあった。駅員に泣きついて乗車券を売ってもらったが、中国語ができない場合は、これも難しい。
・ということもあるが、やはり、「アリペイ」や「ウィーチャットペイ」をインストールして、クレジットカードと紐づけるのがおすすめ。なお、これらを使って中国で少額決済を続けると、カード会社が不正使用を疑うことがあるので、事前にカード会社に「中国に旅行する」と伝えるといい。
・中国旅行大手「携程旅行(トリップドットコム)」のアプリをインストールもおすすめ。中国の航空便、列車、ホテルを予約することができるし、日本のクレジットカードで支払える。トラブル時にも、日本語コールセンターで相談できる。
・「グーグル」の検索サービスや、「LINE」、「フェイスブック」といった外国のネットサービスは、原則、使えない。中国滞在中に使う場合は、日本出国前に、「VPN(仮想専用線)」のアプリをスマホやパソコンにインストールするといい。「中国 VPN」で検索すれば多数のサービスが表示されるが、無料のサービスはデータを盗まれる危険性が高いので避けよう。また、中国入国後はインストールは難しい。
こんな内容でした。
外国人向けのホテルやショッピングセンターでは日本クレジットカードを使える場合も多いけど、安い値段で庶民の生活を体験しようと思うと、「アリペイ」や「ウィーチャットペイ」を使うといいのですね。
また、「グーグル」や「LINE」を使おうと思うと、日本出国前に有料の「VPN」のアプリをインストールすればいいことが分かりました。
こんな話を聞くと、中国旅行で、日本のようなネット環境を維持しつつ、庶民生活を体験するのは、けっこう手間がかかるのですね。
中国旅行を計画している方には、とても役に立つ記事だと思いました。
今回は、ここまでです。