今回は、大人にもためになる絵本についてです。
(©哲学するゾウ)
週刊エコノミスト(2024年4/30・5/7合併号)で山口大学の小川仁志教授が紹介していましたので、概要をまとめてみました。
・絵本は子どものために描かれている。だから情報量が少なくなっていて、抽象的になっています。
・その抽象性ゆえに、子どもだけでなく、大人が読んでも考えさせられる余地が大きくなる。
・子どもに読み聞かせをしていて、大人の方が感動しているという話もよくあります
・戦争や感染症の流行、災害といったテーマがあふれる時代に適した絵本があります。
・例えば、「モモ」で有名なミハエル・エンデの絵本、「哲学するゾウ フィレモンしシワシワ」。
・他の生き物と競争して勝つことに躍起になっているハエたちが、ゾウのシワシワに勝負を挑む話です。
・ところが、シワシワは、そんな競争に気づきもせず、ずっと”月”のことを考えていたのです。自分なんかよりもはるかに大きな存在である”月”のことを。
・もしかしたら、誰もが自分の視野の近い所で競争するのをやめて大きな存在について考え始めたら、そんな競争はなくなるかもしれません。
・それから、私が最近出会った「ちいさなハチドリのちいさないってき」を紹介します。
ちいさな ハチドリの ちいさな いってき (imagination + UNOSAWA)
・山火事が起きた時、ハチドリが小さな口に水を含み、何度も往復することで火事を消そうとする話です。
・その姿を見て、他の動物たちも自分にできることをやろうとします。
・ここで描かれているのは、自分が行動したことで何も変わらないとあきらめるのではなく、まずできることをやる大切さです。更に、そうやって懸命に行動していれば、他の人を巻き込むことができるということです。
・いずれの絵本にも、こんなメッセージが込められています。また、作者が伝えたいことと一致していなくても、自分がどう考えるか、色々な解釈ができるところも絵本の良いところです。
こんな内容でした。
ときには、大人にもためになる良い絵本を読んでみるのもいいかもしれませんね。
今回は、ここまでです。