今回は、日本三大奇祭の一つ”蘇民祭”、千年の伝統の幕を閉じたことについてです。
日本三大奇祭とは何かは諸説ある中で、その一つに、
・なまはげ柴灯祭り(男鹿のなまはげ)
・吉田の火祭り
・黒石寺蘇民祭
が挙げられることも多いそうです。
「男鹿のなまはげ」は、秋田県男鹿市で大晦日の夜に行われるもの。
(©男鹿のナマハゲHPより)
青年たちが”なまはげ”に扮して、
「泣く子はいねが?親の言うことを聞かない子はいねが?」
と、家々を巡ります。
子どもの頃ニュースか何かでナマハゲの形相をみて、
「鬼の中でも一番怖い顔!」
と思ったのを覚えています。
そして、「吉田の火祭り」
これは、毎年8月27日、28日に浅間神社と諏訪神社で行われる祭りだそう。
26日夕暮れに、諏訪神社に大神輿が奉納されると、3mの大松明100本余りに一斉に点火され、街中が火の海のように。
27日夕刻には、神輿は浅間神社に戻されるそう。
そして、岩手県の奥州で開かれてきた黒石寺蘇民祭はというと。
(2024/5/27朝日新聞、2024/2/17産経新聞参考)
5月17日(2024年)の開催を最後に、千年の伝統の幕を閉じたそうです!
午後6時、ふんどし姿の男達が、境内を流れる川の水で身体を清めた後、”邪気を正す”という意味の
「ジャッソー ジョヤサ」
の掛け声を上げながら境内を練り歩く。
そして、祭りのクライマックスには、そのふんどし姿の男達が、
「蘇民袋(無病息災を約束すると言われる)」
を激しく取り合って、終了時間に手にしていた者が最も御利益を受けると言われているとのことです。
祭りは本来、夜通し行われるが、最終回となる今回は開始時間を早めて、時間も短縮してとり行われたそう。
それでは、伝統ある黒石寺蘇民祭は、全国から3千人もの見物なぜ今回限りとなったのでしょうか?
それは、祭りの中心を担う関係者が高齢化したり、跡継ぎが少なくなって、現在の形を維持することが難しくなったため、住職が決断した、ということのようです。
祭りは、当時の半裸の男達による”蘇民袋”の争奪戦のみならず、事前の儀式や準備が多岐にわたる。
祭りの1週間前から、10軒の檀家が祭りに欠かせないしめ縄や小間木(蘇民袋に詰めるため木を切り出して作る)をなどを作ってきたが、そのほとんどが70代以上。
半分近くは跡継ぎもいないので、今後続けていくのは難しい状況となった。
そうなんですね!
長い伝統を誇る行事も少子高齢化の波の前には、中止せざるを得ない状況を知ると、
「なんとかならないのかな? 残念だな!」
という気がするとともに、一方で、このような伝統やその準備の方の苦労を知らず、支援も何もせずに「残念」と言うのも無責任なのかもしれない、とも思いました。
伝統的な祭りが好きな方で、経営も上手な方が、うまく「伝統祭りベンチャー企業」みたいなものを立ち上げてマネタラすることで、”蘇民祭”が復活したり、とぎれそうなその他の祭りが継続したりするといいのにな、とも感じます。
ちなみに、ブログ村のこの記事の写真に”蘇民祭”を使うのはいかがかと思いましたので、代わりに”なまはげ”を使っています。
今回は、ここまでです。