今回は、算数の美しさを受験算数に生かす方法です。
これについて、分かりやすく書いてある記事がありました。
朝日新聞のアエラキッズ(2019年夏号)に掲載された、第2回「受験算数レボリューション!」の記事です。
この記事は、算数教育家・中学受験専門カウンセラーである安浪京子さんが、数学者で、全国各地でワークショップや講演などの教育活動を行っている、荒木義明さんのインタビューを行った形式になっています。
荒木さんのお話の中で印象に残った点について、書いてみます。
★「2÷17」をどんどん計算してみて下さい。
・これを小数第15位まで計算しても、何も見えてこない。
・実は、小数第1~16位までを周期として同じ数字が循環する循環小数である。
・これは、小数第33位くらいまで計算すると実感できる。
・このことから、「割り切れないってどういうことだろう?」、「なぜ、同じ数字が周期でくり返すんだろう?」、「別の数の場合は、どうなるんだろう?」といった疑問を持ってほしい。答えは分からなくていいから。
★エッシャーが書いた「敷き詰め模様」。
・おなじ図形を連続して隙間なく敷き詰めて出来る「敷き詰め模様」が数学者である荒木さんの専門分野
・だまし絵で有名なエッシャーは、「敷き詰め模様」の作品もたくさん書いた。エッシャーは数学は苦手だったけど、一心不乱に書くことで、数学者が研究するレベルの規則性に到達していた。
★学習指導要領に、算数の「美しさ」が入った。
・2017年、算数の学習指導要領に、「図形の持つ美しさに関心を持たせるように配慮する」、「図形を敷き詰める活動などを通して美しさを確認する」といった内容が入った。
・学習指導要領に「美」という言葉が入っているのは、これまで、国語、図工、音楽だけだったが、算数が加わった。
★受験の算数には「ハカセ」が求められる。
・受験算数では、公教育のレベルをはるかに超えたレベルの問題を大量に解いていかないと合格点に届かない。このため、「早く、簡単に、正確に」の頭文字をとって、「ハカセ」が求められると言われる。
★算数に美しさやアートの視点が入ると、受験算数にも役立つ
・でも、循環小数、敷き詰め模様、学習指導要領からも分かる通り、算数の美しさやアートは、楽しいし、本当に重要。受験算数にも思考力を問う問題も増える傾向にあるので、美しさやアートの視点は、受験算数にも役立つ。
★そのための方法とは?
・受験にも役立つ、算数の美しさやアートの視点を持つには、以下の方法がある。
-子どもが考えるペースを尊重してつきあうことも必要。
-自分でルールを導き出す努力を。
-単純な1問を奥深く考えてみる。
-自分なりの別解を考えてみる。
塾のカリキュラムや宿題に追われる中で、子どもがじっくり考える暇もない「ハカセ」の中で、こんな取り組みも、算数ができるようになる「急がば回れ」の方法かもしれないですね。
といいつつ、これを実践する余裕もなく、夏期講習や宿題に追われる我が家でした💦
今回は、ここまでです。