今回は、なぜ、ベジタリアン(菜食主義)への関心が高まっているのか、についてです。
先月(2021年11月)の朝日新聞グローブ(月1回の別刷り特別紙)に、ベジタリアン(菜食主義者)についての特集がありました。
おばばは、お肉とか魚も大好きです。食事はバランス良く色々と食べる方がよい、と言われて育ったので、「ベジタリアン」と言われてもピンとこない感じです。
ところが、これを読んでみると、ベジタリアンへの関心が、最近少しづつではありますが、高まっているように思えます。
最初に、ベジタリアンである有名人が取り上げられてました。
テニスのジョコビッチ選手やビーナス・ウイリアムス選手。
かつての陸上スター、カール・ルイス選手。
北京冬期五輪への出場が有力視される、フィギアスケートのアイスダンスの小松美里選手。(全日本選手権は三連覇中)
小松選手は、約4年前からビーガン(完全菜食:卵・乳製品を含む全ての動物性たんぱく質を取らない)とのこと。
「子宮筋腫になるおそれのある腫瘍が見つかったことをきっかけに、健康へ関心が高まり、食生活を見直そうと思った。」
「以前は4分間の演技の終盤は体力が気になったが、今は練習後の疲労回復も早くなって厳しい練習を積めるようになったので、試合中も余力がある。」そうです。
有名選手でも、ベジタリアンがいるんですね。
実は、アスリートにとっては、肉食がリスクになる場合があるそうです。
テニス女子で東京五輪に出場した日比野奈緒選手は、メキシコ大会のドーピング検査で陽性。
メキシコの現地で食べた肉に「成長促進剤」が使われていて、そのために、ドーピング検査で引っかかってしまった。(食事が原因であると説明ができたので、失格にはならなかったそうです。)
こんなことも、アスリートにベジタリアンがいる理由の一つだそうです。
また、イギリスはコッツウォルズの田舎町のサッカークラブ、フォレスト・グリーン・ローバーズ(FGR)。
最もグリーンなサッカークラブとして国連サイトにも掲載。
会長のビンズ氏が、スタジアム内のハンバーガー、ミートパイ、ソーセージを肉ではなく、豆やキノコを使った商品に置き換えた。
「最初は反発するファンもいた。だけど、『2週間に1度のホーム戦の試合中の2時間だけビーガンになってみない?』と説得したんだ。」
それでは、なぜ、ベジタリアンなんだろう?
アスリートの場合もそうですが、健康への大きな関心によることは多いようです。
それから、アスリート固有の理由として、ドーピング陽性リスクの回避。
FGRのビンズ会長は、「家畜を殺して食べるのは間違っている、と思った。」
こちらになると、そもそも人間や動物の根源的な問題に触れてきます。
それから、牛のゲップなどに含まれるメタンガスなどのせいで、畜産業は地球温暖化への影響が大きいので、これを理由にあげるベジタリアンもいるとのこと。
このように見てみると、「健康」、「ドーピング」、「動物を殺して食べることの根源的問題」、「地球環境問題」と、最近の重要問題が複数関係していることが分かりました。
さらに、このような重要問題に取り組むに当たって、各個人それぞれのやり方を重視するといった「多様性の尊重」(東京五輪の理念にもなってましたね)も関係してきます。
これは!
中学受験の問題作成にピッタリなのでは!
というわけで、おばばはベジタリアンになる予定はありませんが、少し勉強してみると、ベジタリアンへの関心が高まっている理由はけっこう面白いし、今後、中学受験において、国語や社会の問題で取り上げられる可能性が大きいのではと思いました。
(既に取り上げられているのかもしれませんが。)
今回は、ここまでです。