巷でよく聞く話の一つに。
東大に入るようなお子さんは、小学生の頃から「勉強しなさい」と言われたことがない、というものがあります。
東大に入る人は、もともと知的好奇心が高く、放っておいても自ら勉強をする、或いは将来の立派な目標の為に計画的に学習を進めることができるので、親がイライラして「勉強しなさい!」と言うことなど皆無だと。
なるほど!そうなのね。
やっぱり東大に入る子は小学生から違う、親御さんは楽でいいなあ、それに比べてうちの子ときたら、母さんが言わないと何もやらないでゲーム三昧だわ!ガオガオ言ってようやく渋々と宿題に手をつけるようだから、ダメなのかしらん...
と思ったりしますよね。
ここで朗報です。
そんな常識を覆すアンケート結果が公表されました!
ひまわり教育研究センターが行った、現役東大生220人「子供のころの過ごし方」についてのアンケート調査です。
こういうものを親に聞いてしまうと、だいたい美化されて、というより本当のことを世間さまに晒すのが恥ずかしくて、ちょいちょい盛ってしまうものです。
おばばだって、もし誰かに受験期のことを聞かれたら、「我が家は子どもの自主性を大切にしたいという教育方針ですので、勉強に関しては環境を整える等のサポートに徹するだけに致しました。息子は中学受験に目的意識を持って臨んでいたので、大変な受験期も前向きに勉強に取り組んでおりました。」と答えることと思います。
親子間で繰り広げられたケンカや、成績のアップダウンとともに、親の気分もアップダウンしていた過去などなかったことになります。
でも、自分自身の受験を振り返るとしたら。
大変だったことも、サボってしまったことも、盛らずに正直に振りかえる方が大半ではないでしょうか。親に怒られた事なども鮮明に覚えていたりします。
今回の調査は、学生本人に行われたとのことなので、かなり正直な実態が聞けるのではないかと、期待がもてます。
それでは、この質問を見てみます!
小学生の頃、両親から1日に何回「勉強しなさい」と言われたことがあったのか。
★言われたことがない 24%。
★毎日ではないが時々言われた 30%。
★「時々言われた」を含む、言われていた 64%。
★1日5回以上言われていた 13%
親近感がわいてきますね。
やっぱり!やっぱり!東大生のご家庭でも、小学生の頃に「勉強しなさい」を言っていたご両親が大半という結果になりました。
1日5回以上言われたというのは、どんなシチュエーションだろうと考えると、受験直前期に隙あらば寝転がってゲームに興じる我が子に、親がイライラして何度も声をかけていたというような状況でしょうか。
こんな時、親は声をかけ過ぎていることを自覚し、自分の不安をぶつけているだけではないか、子どもを勉強嫌いにさせてしまうのではないか、と悩むこともあるのではないかと思います。
ここで、もう一つ興味深いアンケート回答があります。
「1日5回以上両親から勉強しなさいと言われていた」と回答した男女29名が、「小学校時代に勉強したいと思ったのはなぜですか」という質問に対して答えたのは。
「新しいことを学ぶのが楽しかった」
「親に褒められるのが嬉しかったから」
「いい成績をとるのが楽しかったから」
「親に叱られるのが嫌だったから」
目の前の受験勉強は、特に中学受験直前期の大量の勉強は嫌で、親から声をかけられないとやらなかったとしても、「新しいことを学ぶのが楽しい」という気持ちは持ち続けていたということなんですね。
改めて、子どもの学ぶ力というものはすごいなあと感じました。
この他にも、興味深い結果がたくさん載っていたので、読まれてみてはいかがでしょうか。
今回は、ここまでです。