今回は、政府の「理系専攻」の大学生を増やす政策についてです。
政府の教育未来創造会議が5月、理系分野を専攻する大学生の割合について、2032年ごろまでに、現在の35%から50%程度に増やす目標を掲げた。
(7/18 朝日新聞)
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この記事を読んで、率直に思ったことは‥。
理系専攻は、現在35%なのか!という驚きでした。
「思っていたより少なくない?」
とおじじに話しかけると。
「35%って、ちょうどそのくらいかなあという気がするよ。」
と、おじじ。
普通に考えると、妥当な数字なのですが、おばばはどうやら中学受験情報に漬かり過ぎていたようです。
今年中学に入学した息子の受験の為、去年まで数々の学校説明会に参加してきました。
参加した学校は、男子校が10数校、共学が3校ほどです。
そのほとんどで、高3の理系、文系クラス分けは、理系クラスが多めでした。共学は、文理半々のところもありました。
男子校では唯一、麻布高校が、年度によって偏りが違っていて、文系志望が多めの年は文理がちょうど半々くらいになるという話でした。
海城高校の説明会で話をして下さった先生は、ご自身が海城高校出身とのことでしたが、在校生だった当時は、文系クラスが多め(確か7:3くらい)で、今は逆転して、7:3で理系が多めとのお話でした。
時代は、理系。
今は、理系志望が増えているんだなあという印象を持ったのです。
おばばの時代は、女子は文学部など語学系志望者も多かったのですが、昨今は文学部は人気がなく、理系志望も増えているという話を聞いたこともあり、「リケジョ」なんて言葉も流行りましたね。
それでも、理系は思ったほどは増えていなくて、現在も35%とのこと。
我が家には、こんな本があって。
もうずいぶん昔に読んだ本なので、詳細までは覚えていませんが、この本の一番伝えたかったメッセージは、「理系は報われているか!?」ということでした。
かいつまんで言うと、「理系の人は努力家で愛すべき素晴らしい人たち。であるにも関わらず、日本社会は文系有利で理系は報われていない」という内容です。
おばばが要約してしまうと、この本の良さが伝わらなくて申し訳ないのですが、文系のおばばも、「いやあ、理系っていいなあ。もっともっと報われてしかるべきだ!」という気持ちになった、非常に良い本でした。
理系白書 この国を静かに支える人たち【電子書籍】[ 毎日新聞科学環境部 ] 価格:660円 |
この本の内容は、ずっと心の中に残っていて(そのくらい良い本でした。)、時を経て息子の中学受験の学校説明会であちこち伺った時に、どこも理系クラス大繁盛の様子を聞き、「報われる時代になりましたよ!良かったですね。」と、この本の作者に話しかけたいような気分がしていたのです。
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ここで、文理分け問題を、少し。
おばばの時代は、「数学ができる人は理系、出来ない人は文系」という不文律がありました。
「数学」が、文理分けの要となっていたとも言えます。
それで、文理分けを決めたうえで、どこの学部が良いだろうかと考えていくという順番でした。
しかし、これにも弊害があって。
「数学ができたから理系に行ったけれど、研究がしたいタイプでもなかったし、実は文系学部の勉強の方が興味があったなあ」とか、
「数学ができなかったから文系に進んだけれど、よく考えてみれば生物系の勉強が一番好きだった。理系進学をあきらめなければよかった。」
という後悔を、身近でも聞いたりしました。
文系か理系かの選択は、人生の大事な岐路、とでも言いますか、その後の仕事に関わってくることも多いし、16、7歳の選択としては「数学」の出来のみで決めて良いのか、本当に難しいものです。
以前に書いた記事の中で、簡単に文理チェックできる質問があったので、ご参考までにどうぞ。
特に理系の学部は、職業に直結することが多いです。
16,7歳での決断がその後の数十年を決めてしまうのは、なかなか大変なことです。
欲を言えば。
いつでも学び直しのできる社会であればいいなと思います。
今回は、ここまでです。