今回は、チャットGPTの禁止がオーストラリアの教育現場で広がっていることについてです。
これは、エコノミスト(2023/3/7号)の記事に掲載されていました。
チャットGPTは、質問をすれば、自然な文章の形で回答を作ってくれるので、学校の宿題や小論文に悪用されるとして、1月末までに5つの豪州政府が”学校での”使用を禁止したとのことです。
ただ、学校での使用を禁止しても、家庭で使用することまでは禁止できないので、「手書きの宿題」を出したりしている学校もあるそう。
とはいっても、「手書きの宿題」を出したとしても、家庭でチャットGPTを使って生成した文章を手書きで写すこともできるので、「いたちごっご」の感もありますよね。
このような禁止の州に対して、豪の主要州で唯一、学校での使用を容認した南オーストラリア州の教育長は、公共放送で「どうやって学習に利用できるかを身に付けてほしい」と話したとのことです。
このような問題は、日本の中学校、高校や大学でも、既に発生しているでしょうから、今後対応が議論になりそうですね。
一見、「自ら学ぶ」ことの重要性を考えると、チャットGPTの宿題への活用は好ましくないように思えます。
一方で、
・先ほども書きましたように、学校で禁止して、手書きの宿題を出したとしても、家庭でチャットGPTを利用することを禁止することはできそうもなく、
・また、今後はチャットGPTのような文章生成AIは、社会と共存して、むしろ、これらを社会生活やビジネスに活用されていることを考えると、学生のうちから、チャットGPTなどを使って、将来のためのスキルを磨いた方がよいとの考えもありあそうです。
今後、日本の学校での対応をどのようにするかは難しい問題ではないでしょうか。
日本は政府なり、地方公共団体の一律な方針が求められがちですが、このような新しい技術に対して、どのような対応が良いのかについての決定打がない状況であることを考えると、一律の方針が示されるのは、どうなのでしょうね。
むしろ、各々の学校で禁止や共存などを判断し、経験を蓄積し、そして、メリット・デメリットを先生方や生徒間で議論すること自体を学校での貴重な教育機会としていくのが良いように思いました。
今回は、ここまでです。