今回は、麻布の論文、武蔵の論文についてです。
これは、スクールエコノミスト2023(Newsを読む小学生のための中学受験ガイドと銘打った冊子)に、学校別に教育内容が紹介されていた中の麻布、武蔵、海城の所に書いてあった内容です。
まずは、麻布から。
【麻布】
〇中3の国語では、「卒業共同論文」という課題がある、これは、教員が課題図書を指定し、その中から4~5人が一つのチームになって1冊を選び、論文を書き上げる。
国語科の松田先生は、「共同で書くので、情報交換や作業分担をすることで、よりハイクオリティな論文になる。」
卒業生の中には「大学の卒論より大変だった。」と話す生徒も。
〇高1の学年末には、社会科で、自らテーマを設定する「基礎課程卒業論文」を書く。資料集め、取材、参考文献も記す本格的論文。
テーマも、「免罪から見る司法の闇」、「ソ連崩壊と民族問題」、「知的財産権の国境とは」など多岐にわたる。
優秀な作品は毎年発行される校内冊子「考える『葦』」に全文が掲載される。
続いて、武蔵です。
【武蔵】
〇中3の社会科で、1年間を通じたテーマ研究で論文をまとめる。
そして、高校の総合講座では好きなテーマを選択し、グループでフィールドワークなど郊外活動も行う。
そして、海城です。
【海城】
〇1992年にスタートした「社会科総合学習」は、社会科の面白さ、興味関心を引き出して、探求していく。
中学3年間、週2時間、通常の社会科の授業とは別枠で行われる。
資料、文献調べから、取材、レポートや論文の記述、プレゼンテーションに至るまでのアカデミックスキルを身に付け、中3で原稿用紙30枚以上の卒業論文に取り組む。
これら3中学の他にも、最近は、論文を書く教育を行っている難関中学は多いですね。
知識を蓄積するだけでなく、自分の頭で考え、表現し、相手に伝えるといった能力は、対話型AIが現れた今後の社会で、益々重要性が高まっていくでしょうし、思考力を問う型の共通テストや大学2次試験対策としても、少なからず役に立つのではないでしょうか。
そして、このような論文教育は、指導にも生徒自身も時間をかける必要があります。これらの3中学などが時間のかかる論文教育ができるのは、これらが高校から新規に生徒を募集することのない6年一貫教育のメリットであるのかもしれません。
今回は、ここまでです。