今回は、都心の「億ション」の購入者の懐事情についてです。
週刊エコノミスト(2025/5/13・20号)に記事が載っていましたので、概要を紹介します。
〇「物価が上がるのに給与が上がらない」との声は多いが、データ上では日本人の給与は右肩上がりに拡大している。
〇国税庁の調査(2023年分)によると、給与所得1千万円以上の人は279万人(給与所得者の5.5%)で、底だった2012年よりも115万人増えている。
〇このような賃金上昇を追い風にした「1千万円プレイヤー」の台頭が不動産需要を押し上げているようだ。
〇また、マンション販売会社である長谷工アーベストによると、「首都圏では、ペアローン利用者が多く、また、40年、50年ローン利用者が増加傾向。特に、若い層、年収の低い層がペアローンを利用するケースが見られる。」
〇ローンの返済期間については、一般的には35年が多いが、40年、50年といった長期のローンを選択する人が増えてきた。
〇一方で、ペアローンや長期ローンを組む際は、将来的な雇用環境や人生設計を含めて、慎重に選択する必要がある。
こんな内容でした。
簡単にまとめると、
「給与額が上昇して1千万円プレイヤーが増えたこと、そして、ペアローンや長期ローンを組む人が増えたことが億ション購入意欲の背景」
といった内容でした。
そうなんですね!
ペアローンや長期ローンを組めば、より高額の家を買えるというのは分かります。
特に、家を探して色々な物件を見たりすると、より良い物件に惹かれて、買いたい物件の価格が高くなっていくこともあるでしょう。
けれども、ペアローン、長期ローンにはリスクもありそうです。
ペアローンについては、子供の誕生によって女性側が退職することで支払いが困難になったり、やむを得ない離婚によってペアローンとの形を解消せざるを得ない場合もあるかもしれません。
長期ローンについても、高齢になった際に給与収入が亡くなったり、低くなったりした場合に支払いが困難になったり、予期せぬ収入減や支出増も期間が長くなればなるほど可能性も増えてきます。
家の購入を検討する際には、多少なりとも支払い時に予期せぬリスクが起こることも想定して、ギリギリの価格を狙うよりはある程度余裕を持った価格を基準にすることで、後のトラブルを防げるような気がします。
今回は、ここまでです。