今回は、自信をもって正解する国語の読解法についてです。
国語の読解問題に関しては、子どもは、自信をもって答えを選んでいるんじゃなくて、「これなんじゃないかな。」といった感じで選んでいる場合も多いようです。
そんな状況だと、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」よりはいいでしょうけど、間違える場合もけっこうありそうです。読解問題の正答率を、もっと上げる余地がありそうな気がします。
そこで、自信をもって正解するための国語読解の方法について、7/18の日能研の育成テストを例に書いてみます。
応用問題6⃣の問3についてです。
(問3):傍線③「あの両親に実の子が生まれてからは、いいことなんかひとつもなかった」とあります。「あの両親に実の子が生まれてから」の自分の境遇を、冬吉はどのように感じていたか、最もふさわしいものを選ぶ。
(ステップ1)まず、問題文を熟読します。すると、「最もふさわしいもの」を選ぶ、とあります。この場合、選択肢には、「ふさわしい(又はふさわしそうなもの)」が複数あるけど、「最もふさわしいもの」を選ぶことになります。ここがポイント。
(ステップ2)傍線③の少し前から傍線③までをよく読みます。
傍線③の前には、「あの両親に実の子が生まれてから」の自分の境遇については、かいてありません。
(ステップ3)傍線①の直後を読みます。「何から何までその子が先で、冬吉はあとまわし。・・・もったいなさそうにくれたまんじゅうをひとり背中を向けて食べた。じゃまものあつかいされながらも、そこにいるしかない自分がつらかった。・・・おらなんか生まれへんかったらよかったんや。」とあります。
(ステップ4)そこで選択肢を1つ、1つチェックします。
(ア)「両親」の抱える経済的苦しみを理解して、「両親」の元には居づらい。
→(ステップ3)で、「両親」の元に居づらかったのは、「じゃまものあつかいされていた」からと分かります。「両親」の経済的苦しみを理解したからではないので、これは、×。
(イ)愛されたいと願いながらも、自分の生みの親への愛情が薄れつつある。
→(ステップ2)、(ステップ3)で確認したように、傍線の前後のどちらを見ても、冬吉の生みの親は出てきません。まして、生みの親への愛情が薄れつつあるとも、書いてありません。したがって、この選択肢は×。
(ウ)ひどい扱いを受けていたが、「両親」の元に居続けざるを得ず、自分の存在が否定されるほど辛い。
→(ステップ3)で確認した、傍線の後ろの内容と一致している気がします。答えの候補です。
(エ)ずっと「両親」に無視されてばかりで、自分自身をみじめに感じていた。
→(ステップ3)で確認した、傍線の後ろの内容と一致している気がします。答えの候補です。
(ステップ5)
(ウ)と(エ)どちらもふさわしそう。(ステップ1)で確認したように、問題文に「最もふさわしい」とあるので、どちらが最もふさわしいか考えます。
両方の選択肢を再度読みます。すると、(エ)については、「ずっと「両親」に無視されてばかり」の部分が、事実と異なることに気づきます。「両親」はもったいなさそうな素ぶりながらも「まんじゅう」をくれたりしており、「無視ばかり」ではありません。そこで、(エ)は最もふさわしくはないため、(ウ)がが最もふさわしいと分かります。
このような流れで解くと、自信をもって正解できるのではないでしょうか。
-(ステップ1)~(ステップ5)をたどる。
-特に、(ステップ1)、(ステップ5)の「問題文を熟読」が重要。「最もふさわしいもの」と聞かれたたときには、複数ふさわしいものがある場合がある(通常2つ)ので、それを選んで、再度、問題文を読んで、決定。
今回は、ここまでです。