日能研のカリキュラムの進度は、大手塾の中ではゆっくりだと言われます。
日能研は6年生前期で全てのカリキュラムが終わるのに対して、数年前に改訂されカリキュラム進度の速くなった予習シリーズは、5年生のうちに全て終わらせて、6年生前期から総復習に入るので、その方が受験には有利という話も聞きます。
本当はどうなのか、5年生後期のカリキュラムを、日能研テキストと予習シリーズで比べてみました。
その上で、日能研生が難関校を目指す場合に心がけた方が良い点があれば何なのか、考えてみたいと思います。
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【日能研】
1.差集め算・過不足算・つるかめ算
2.場合の数
3.数列・周期と規則性
4.比例・反比例・一次関数
5.等しい比・比例式
6.連比・比例配分・逆比
7.平均と逆比/分配算・倍数算
8.濃度と比
9.底辺比と面積比
10.相似比と面積比
11.速さの三公式
12.進行グラフ/平均の速さ
13.旅人算
14.時計算・通過算
15.図形上の点の移動
16.立体図形の名称と体積
17.立体図形の性質と表面積
18.容器内の水位変化・水そうグラフ
【予習シリーズ】
1.比(1)
2.比(2)
3.平面図形と比(1)
4.平面図形と比(2)
5.総合(1~4)
6.速さと比(1)
7.速さと比(2)
8.平面図形と比(3)
9.規則性に関する問題
10.総合(6~9)
11.速さと比(3)
12.流水算・通過算
13.仕事算
14.容器と水量(2)
15.総合(11~14)
16.和と差に関する問題
17.図形の移動(1)
18.図形の移動(2)
【両者を比較してみました!】
5年生後期は、「比」が肝であるということで、どちらも「比」に数週間を割いています。数週間ずつ同じ単元を続けて深めていく日能研に対して、予習シリーズでは、単元を速く進めながら、5回に1回、総合回を設けて、復習をしています。
そして、ここが肝心ですが、5年生のカリキュラムが終わった時点で、予習シリーズで習ったもので、日能研で習っていないものはあるでしょうか?
前期のカリキュラムも含めて比べてみたところ、予習シリーズでは習う「流水算」が、日能研の5年生では未習単元となり、日能研では6年前期で習うことが分かりました。
それ以外は、習う範囲で見た場合、日能研と予習シリーズでは、カリキュラムの進度の差は見つかりませんでした。(おばばが確認した範囲では。)
こうして比較してみると、習う範囲を単元別で見た場合、言われているほどには、進度の差はないのでは、と思います。
【前期カリキュラムではどうだったか】
日能研前期は、数の分野が何週も続いた後、平面図形が長く続き、最後は割合を数週間。日能研は、同じ分野をしばらく続けて深めていくというスタイルです。
予習シリーズの5年生前期では、毎週違う単元を扱います。日能研前期では習わない「柱体とすい体」「容器と水量」が出てきました。これらは、日能研では後期の最後の方に習います。
一方で、平面図形を連続で学習した日能研では、前期で「図形の移動」までやりました。これは、予習シリーズでは、5年下巻の最後となっています。
【我が家の取り組みは】
日能研のカリキュラムに沿って学習を進めています。本部系の「宿題がない」利点を活かして、家庭学習をアレンジしています。
ピヨ太は、算数が比較的得意なので、授業で学習→本科のオプ活→栄冠の問研のみで仕上げ、余裕がある時は、予習シリーズの練習問題、応用演習問題集と解いていきます。
予習シリーズ5年上巻でまだ手をつけていないのは、日能研5年後期で習う「柱体とすい体」「容器と水量」です。
また、予習シリーズ5年下巻の「図形の移動(1)(2)」は、日能研で習ったタイミングで取り組んでみました。練習問題は解けましたが、応用演習問題集は、難関校の入試問題に苦戦しました。
日能研のカリキュラムにしっかりと取り組むことで、本人なりに力はついてきていると感じています。受験に必要な学習内容は、すべてカリキュラムに組まれているので、授業→復習→演習の流れで、特に不得意分野には力を入れていくことを心がけています。
また、男子難関校の算数の入試問題は、とても難しいと言われています。
日能研の本科教室だけではなく、算数演習講座、5難関などに積極的に取り組み、難問を解く力を身につけていくことが大切だと考えています。
今回は、ここまでです。