「塾通いは1年だけの”ゆる受験”でもOK」という、PRESIDENT onlineの記事が、今週、話題になりました。
何とも、心を揺さぶってくるタイトル。
毎日戦いの火蓋が切られている6年生のご家庭では、「ゆる」という言葉だけでも、「ぎゃあお」と反応してしまいたくなりますね。
以前、おばばの夢は、「何だか子どもが楽しく塾に通っている間に、あれれ、難関校に合格してしまいました。ワタクシは何にもせず、ゆるっと過ごしましたのよ、おうっほっほ。」と、オンザロードの映像の中で語ることでしたが、今は嘘は良くないと思うようになりました。
ええ、そうです。
6年は、ガチです。
中学受験はガチ上等なのです。
そんななか、くだんの「ゆる受験」記事を読んでみますと。
この記事での「ゆる受験」の定義は。
★塾通いを1~2年の短期間でおさえる
★偏差値50程度の学校を受験する
ということのようです。
1年間の勉強で、偏差値50。
いやいやいやいや。
(画像はお借りしています。)
ここで思い出されるのは、中学受験マンガ「二月の勝者」2巻の、「中学受験の偏差値50は、小学生全体の上位2割の中の真ん中」という、あのベン図ですね。
実際、塾の保護者会で、「お父さんお母さんは、高校受験の時のイメージで偏差値50をとらえるかもしれませんが、私に言わせれば、中学受験の偏差値50は天才ですよ。」
と先生が説明されていたこともありました。
また、中学受験の渦中にある身としては、
1年で中学受験をしようとするなら、その1年は、「ゆる」どころか「ガチ中のガチ」になる!
これを「ゆる」と定義できるのか?
ということに尽きるのかもしれません。
そんななか。
もし、中学受験での「ガチ」と「ゆる」の境界線をひくならば。
(
ガチ中のガチ
低学年から中学受験塾に通う。公文・算数塾も併用。
↓
ガチ
新4年生から、大手塾へ。
↓
新4年生から、通信など家庭で中学受験カリキュラムにのっかって勉強する
↓
ゆる
5年生途中、または6年から、中学受験の学習(塾・通信)。ご縁がなかったら公立中へと気軽に構えている。
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さて、ここからは「日能研」は「ゆる」なのか「ガチ」なのかについて、論じてみたいと思います。
これは、かねがね1回書いてみたいテーマではあったのですが、筆がスベり過ぎたら、後で日和って、部分的に削除してしまうかもしれません。。
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知り合いの方と子どもが中学受験するかどうかの話になって、「塾はどこですか」と話題になりますよね。
地域にもよると思うのですが、「日能研」と答えると、結構な頻度で「お宅はゆる受験なのね」的な感想が返ってきます。
はい、そうですよね。
現・日能研家庭としては「えええ~!!??そうなんっすか?」という気持ちになりますわね。
6年親ですと、「どこがゆるなんっすか?こちとら大変っすよ」と返したい気持ちでいっぱいになります。(6年になってから言われたことはありませんが。そもそもコロナ禍であまり人と会ってませんが。)
中には、「もし難関校を目指しているのなら〇ピ一択よ!」とかなり強めに仰る方もいらっしゃいます。
ビアンカ一択くらいの強さで言われることが多いです。
ご自身のお子さんが、〇ピから御三家に進まれた方からは、真剣に〇ピを勧められました。ご自身の経験から、親切に仰って下さっているのだと分かり、この時は実際、心もちょっと揺れました。
親の間でそうなっているので、話はそのまま伝わり、子どもたちの間では、〇ピと日能研では偏差値が12、3は違うとなっているようです。
〇ピでの偏差値に12を足すと、日能研での偏差値に換算できる、と信じられています。
これについては、各塾の卒業生データを基に作られた合格可能性80%ラインの偏差値表を見比べてみました。
〇ピ 日能研
50 +8
52~56 +7
58~60 +5、6
61~63 +5
64~67 +4、5
70over +1
〇ピ50以上の表しか見つけられなかったのですが、それ以外では或いは10以上の差があるのかもしれません。そこから、偏差値を12くらい足して換算するという話が生まれたのでしょうか。
ちなみに、四谷大塚の表と比べると、かなりの学校が日能研と同じ数字で一致していました。
首都圏では、SAPIX、四谷大塚、早稲田アカデミー(四谷大塚準拠塾)、日能研で中学受験4大塾と言われることがありますが、中でもSAPIXは突出して優秀な層が多いことが伺えます。
「難関校を目指すなら、〇ピ一択」
難関校を目指す層が多いという点では、これは真実と言えます。
親世代では、「日能研はゆる」どころか、「日能研はガチ」のイメージがけっこうありますよね。
成績による席順システムというのは、当時は本当に恐ろしいシステムでしたが、現在の〇ピのクラス昇降システムには及ぶべくもないということなのでしょう。
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日能研のカリキュラムについて。
当ブログでは何度か、日能研と予習シリーズでカリキュラムの違いを調べてきました。
日能研のカリキュラムは、ゆっくりであると言われます。
SAPIX、四谷大塚は5年生の終わりまでにすべての学習単元を終えて、6年前期は総復習、夏休みから演習に入る。
それに対して、日能研は6年生前期でようやく学習単元を終えて、夏休みで総復習、後期で演習に入るので、他3塾と差ができてしまう。
そんな話も聞きます。
上記記事の予習シリーズとの比較や、実際に6年の夏を終えてみて。
実は、日能研もほとんどの学習単元を、5年生のうちに終えています。
このことは、なぜ広く知られていないのか、不思議です。
四谷大塚の方が、5年生前期からやや飛ばしている印象はありますが、日能研が先に習ってしまう単元もいくつかあるし、5年生終了時点での違いはほとんど見受けられません。
SAPIXのカリキュラムは分からないので、比較はできませんが、数年前の予習シリーズの改訂の時に、四谷大塚が一番カリキュラムの進みが早くなったと書かれているのも目にしたので、SAPIXだけが際立って違うということもないのではないかと思います。
個人的な感想としては、社会の公民だけは、もう少し早めにいれて頂きたいというくらいです。
予習シリーズと一緒で、6年の最初がベストだと思います。6年前期は、公民をまず習ってから、地理・歴史の総復習が望ましいです。
それから、日能研が一番他塾と違う点は、4年生の社理が隔週であることです。
このことで、日能研生は、4年生の間、だいぶゆったりと過ごすことができるのではないかと思います。(あくまで他塾との比較で)。
中学受験が約3年の塾通いが主流となっている今、最初から飛ばし過ぎないこのカリキュラムは、とても良いと思います。
でも、4年生のカリキュラムがゆったりすることで、他塾と差がつくのではないか。
そんな恐れもありますね。
実際、我が家も、優秀層の多いSAPIX、カリキュラムが早いと言われる四谷大塚のお子さん達に後れるのではないかという不安は、常にありました。
カリキュラムも総復習も終えた今、他塾との差はないことを信じて、先日初めてSAPIXの模試を受けました。
学校別模試でしたが、2校とも合格想定点はしっかり超えられたので、現時点ではカリキュラムの差の心配はないと考えています。
一方で、社理の知識面では、受験者の平均を下回るのではないかと感じました。
SAPIXのお子さん達が4年生時点からスパイラルで取り組んできた社理の勉強量には、まだまだ追いつけていないということだと思います。
今後、しっかり取り組んでいきたいです。
我が家も勉強中の身ですが、難関校を目指して日能研の入塾を検討されている方へ、何かアドバイスできるとすれば。
もし、通塾範囲にTMクラスがあれば、ぜひ目指してほしいと思います。
我が家のように、本部系だった場合は。
宿題がない利点を活かしてアレンジができるので、ぜひお子さんの勉強に関わって頂きたいです。
具体的には、習ったところをしっかりと理解することと、苦手分野の強化の2点です。
それから、細かく単元をスパイラルでくり返す他塾と違って、同じ単元を連続で習って深めていくのが、日能研のカリキュラムの特徴です。その単元を終えると、次に復習で習うのはだいぶ先となってしまいます。
この為、お子さんによっては、一度理解したこと、覚えたことを、次に習う時には忘れてしまうという事があるかと思います。
この辺りのキャッチアップをし続けるのが、親御さんの一番大変な腕の見せどころかもしれません。
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10月からの3連続の日能研全国テストをきっかけに、日能研への入塾を検討されているご家庭も多いかと思います。
この記事をあげておきます。
今回は、ここまでです。