今回は、海城中学校校長の考える「人間力」についてです。
朝日新聞EduA(2022/4/21)の記事に書いてありました。
海城の校長先生である柴田先生は、総合商社の三菱商事出身です。
これまで、韓国に7年、サウジアラビアに3年、タイに5年と、合計で15年間の海外駐在を経験されたそう。
そして、どこの国でも痛感したのが、
「日本人はユーモアのセンスが圧倒的に足りない。」
ということ。
これに対して、欧米人は気の利いたジョークがとても上手。
ウイットに富んだ一言で場の緊張を解き、笑顔を引き出してリラックスさせる、「人間力」が身に付いているそうです。
島国の日本と違って、多様な文化の中で育ち、人間関係を滑らかにするテクニックとして、ユーモアの力を理解している。
特に、サウジアラビアでは、その差が如実に出る場面が多々。
よく、欧米の商社と競争になる中で、欧米人はユーモアを使って、文化も背景も異なる相手と信頼関係を作り上げ、ビジネスにつなげていったそうです。
そんな経験をした柴田さん。
イギリスでの商談で、ユーモアで場を和ませることで、うまく行ったことが。
先方がなかなか本音を出さず、膠着状態のまま昼になろうとしていた時。
柴田さんは、こう提案しました。
「ランチにカレーでも食べませんか。その後で、午後はほっとなディスカッショNンをしましょう!」
この一言が切っ掛けで相手との距離が一気に縮まったそうです。
難しく考える必要はない。
言葉遊び、だじゃれ、何でもいい。コミュニケーションの切っ掛けになるものを自分なりに考え、勇気を出して試してみる。
その姿勢が伝わるだけでも相手の心は動きます。
こう考えると、ネイティブレベルを目指して英語力を研くよりも、ユーモアのセンスを身に付ける方が実社会では役に立つのと思います。
と、柴田先生。面白いですね。
先生は、更に、次のように続けます。
「対話におけるユーモアとは、お互いがリラックスできてえがおが生まれるような、創造的な言葉。日とを傷つけてとる笑いはユーモアではない!」
おばばとしては、特に、この部分が印象的でした。
このように、「人を傷つけてとる笑いはユーモアではない!」
こんな点を重要視して、一般の目に触れるインタビューの最後に忘れずに言及する。
そんな柴田先生の姿勢、人間性に好感を持ちました。
そう思って柴田先生の写真を見ると、心なしか人柄の良さがにじみ出ているように思えます。
このような温かい心を持った校長先生がいれば、学校の先生や生徒にも必ずやポジティブな影響があるでしょう。
海城に限らず、全ての学校や会社などのトップには、実績、能力や高い志のみならず、”温かい心”の持ち主になってもらいたいと思います。
そして、そのようになっていくことが、日本全体がギスギスせずに、皆が過ごしやすい社会になっていくことになっていくように思います。
今回は、ここまでです。