最近、大学受験の中学受験化が進んでいるのでは、と考えています。
どういうことかというと。
まず、最近の中学受験のいくつかの大きな特徴の中に、次の3つがあると思います。
・早期の通塾開始
・実績ある塾への生徒の集中
・親の関与
1.早期の通塾開始について
通常、中受の進学塾におけるカリキュラムは、新4年(小3の2月)の開始となっています。
このためもあってか、中学受験を目指す場合、新4年生からの通塾開始がスタンダードと言われます。
実際、栄光ゼミナールHPでは、新4年からの通塾を勧めています。
また、浜学園HPでは、4年生は土台作りを始める時期ではなく、土台を固める時期であるとして、低学年では計算力つけるとともに、様々な問題の経験をつむべき、としています。
更に、サピックスのHPで、定員が一杯などの理由で募集停止の校舎を見てみました。
すると、首都圏の5校(永福町、王子、大井町、お茶の水、大宮)で、1年生~3年生まで募集停止となっていました。(2022年4月6日現在)
(それらに加えて、お茶の水は、4、5年生、大井町は4~6年生も募集停止)
また、周りで聞いたことのある話と併せても、1年生から通塾するケースも珍しくないようです。これらを考えると、早期の通塾開始は、最近、特に進んでいるといえそうです。
2.実績ある塾への集中について
首都圏では四大塾(サピックス、四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研)に通塾者の数や合格実績が集中しています。
特に難関校の合格者数では、サピックスが大きくリードしている状況です。
合格実績ある塾への集中が進んでるわけですね。
3.親の関与
おばばの小学生頃と比べると、中学受験をする子供の学習状況や成績を詳細に把握して、子供に関与する度合いが大きくなったように思えます。
昔は、6年生ともなると子供が分からない問題を、親が聞かれて教えたりするくらいだったような。
最近は、父親も登場して、日々の学習もばっちり指導し、各科目、各単元の進捗まで管理が行われることも多いようです。
さて、これらの特徴は、大学受験にも当てはまり始めているのでは。
特に、「1.早期の通塾開始」、「2.実績ある塾への集中」について、そう思います。
やっと中学受験が終了し、中1からの新しい生活が始まるその4月からから通塾する例が増えています。
しかも、現役東大合格者数で400人以上の実績を誇る「鉄緑会」に至っては、1000人からの新中1生が入塾したようです。
小学校1年生から通塾し、そして、新中1から、またもや塾に通う子どももいるのでしょう。
そうすると、なんと、12年連続の塾漬けです。
そうでなくても、小4から高3まで塾に通えば、9年間。
「そんな中高生活でいいのかなあ?」
そんな疑問を持つ親の方もいる中で、中学受験の厳しさの経験を踏まえて、
「大学受験でおいていかれないように!」
と、中1からの通塾を始めてしまうのではないでしょうか。
このような状況を見ると、
【大学受験が「中学受験化」している】と感じてしまいます。
ところで。
このような、大学受験の中受化の中で「気をつけよう!」と思ったことがあります。
中学受験のもう一つの特徴である「親の関与」。
大学受験に向けては、この関与のやり方を変えていった方がよいのでは。
中学受験では、子どもは、ある程度親の管理下で勉強をしていたと思います。
一方、大学受験では。
思春期から大人になっていくので、親の言うことも聞かなくなります。
出題範囲が中学受験よりかなり広いので、必要になる勉強量も大きく違います。
こうなると、子どもの科目毎、単元毎の進捗や得意、不得意を親が把握するのは、難しくなってきます。
また、大量の勉強量をこなすには、親から言われての勉強では無理があります。
やはり、自分から勉強に取り組む姿勢が、難関大学合格には、不可欠なように思えます。
そう考えると、大学受験の親の関与は、
【中学受験の管理型】から、
塾や勉強しやすい環境を親が子どものために整備する
【環境整備型】
に変化していくことが必要ではないでしょうか。
そうして、その中で、子どもが、自分が自分に責任を持つ、つまり、自主的に勉強に取り組むモチベーションを持つようになることが、大学受験成功のためには重要な気がしているところです。
この「自分で自分に責任を持てること」が重要であることは、難関中学の校長先生も、そのように考えているらしいことが、次の記事からも伺えます。
こんなことを思い巡らしながら、今後も、子どもを応援して行きたいとおもいます!
今回は、ここまでです。