今回は、インターナショナルスクールを考える上での留意点についてです。
これについて、5/20(2023年)の朝日新聞に、東京インターナショナルスクールの坪谷ニュウエル郁子理事長のインタビュー記事が掲載されていました。
そして、坪谷理事長のインタビューのポイントは、次のようでした。
(坪谷理事長)
まず、日本国籍の保護者にまず知って欲しいのは、
日本国民の3大義務の一つが、
「子どもに教育を受けさせる義務」であることです。
学校教育法で定められていて、日本の学習指導要領に基づいて教育する学校に子どもを通わせない場合、「就学義務違反」になるんです。
こうなると、原則、10万円以下の罰金になるし、子どもは小学校や中学校を卒業したと認定されません。
また、インターナショナルスクールといっても、英語が教育言語の学校教育法上の学校もあれば、そうでない各種学校、無認可、NPOもあります。
そして、留意して欲しい2点目は。
英語と日本語はかけ離れており、英語習得には多くの時間がかかるという事実です。
米国務省によると、英語スピーカーにとっての言語習得難易度は、日本語は4段階の中の最高難度になってます。
そして、コミュニケーションに支障ないレベルに達するまで、2千時間以上の日本語の勉強が必要となっています。
ということは、日本語スピーカーにとっても、英語は難しいということです。
「英語を中高6年やっても全然しゃべれない」「日本の英語教育はだめだ」との批判は常にありますが、中高6年間の学習時間は1千時間にも及びません。
支障なくコミュニケーションをできるようになるには、時間的に全く足りないわけで、「教育内容以前の問題だ」というのが私の考えです。
子ども達と接していて、5才でインターに入った子がストレスなく英語を使えるようになうのは小学4年位だと感じます。
英語の獲得にはそれなりに時間がかかるのだ、と肝に銘じてほしいです。
なるほど!
そうなんですね!
インターに入るのも、注意をしないと、法律違反で10万円以下の罰金になるなんて、知りませんでした!
これは、本当にインターを考える方は気を付ける必要がありますね!
しかも、5才でインターに入って、英語環境で過ごしていても、やっと小学4年生で英語を使えるようになるんですね。
そう考えると。
その間に、身に付けること、経験することが、何等か犠牲になっているとも思えます。
言語をしっかり身に付けることは、しっかり考えるための前提なのではないでしょうか。
論理的に、深く考えるためには、論理的で豊富な語彙が不可欠です。
考える時には、頭の中で日本語で考える訳ですから。
そして、豊富な言語能力と深く考える力は、お互いが助け合って、子どもの中で成長していくのではないでしょうか。
そうだとすると、生成AIが発達して、人間独自の考える力が重要になる今後の社会において、子どもの頃の「深く考える経験」が、益々、意義を持ってくるような気がします。
そう考えると、インターに行かれる家庭には、うらやましい気持ちもありますが、日本の中高一貫校で学んでいくことは、一番子どものためになる道の一つではないかしら、と改めておもった次第です。
今回は、ここまでです。