「第5」のがん治療法である”光免疫療法”がすごいらしいです。
がん治療としては、「手術」、「抗がん剤」、「放射線治療」が効果があり、これまでよく使われてきました。
そして、最近は、「第4」の治療法として免疫療法も主流の一つになりつつあるそうです。
免疫療法には、いくつか種類があり、そのうちの一つは、2018年に、「新しいがん治療法を発見した」としてノーベル賞を受賞した本庶先生のおかげです。
それを小野薬品工業が「オプジーボ」という薬にして、現在は、悪性黒色腫(皮膚のがん)、頭部のがん、切除不能な胃がんなどで保険適用になっているとのこと。
免疫療法は、がんの脅威にされされ続けている人類にとって福音となっている訳ですが、最近は、加えて、「第5」のがん治療法である「光免疫療法」が注目を集めているとのこと。
週刊エコノミスト(2024/5/28号)に載っていたので、ポイントを分かりやすく紹介します。
・「光免疫療法」は、米国の国立衛生研究所(NIH)の研究者、小林久隆先生が開発
・この「光免疫療法」は2020年9月、世界に先駆けて日本で承認
・現在、保険適用の対象となっているのは、かなり病状の進んだ咽頭がんや舌がんなど
・国内では、約150の施設で治療が始まっていて、世界でも臨床試験が進んでいる。
・1回の治療費は約600万円だが、自己負担を軽減する高額医療制度が適用されるため、患者の負担は多くても数十万円
・光免疫療法の特徴は、がん細胞だけをより分けて攻撃できる点
・まず、患者に「アキャックス」という薬剤を投与(点滴で数時間)
(光を表す「明かり」と光の単位「ルクス」を組み合わせた名前)
・「アキャックス」は、
-狙った特定のがん細胞だけにくっつく性質
-赤外線を当てると急激化学反応が起きて形を変えて、周りの細胞を破壊する成つ
という性質がある。
・このため、患者に投与された「アキャックス」は、1日程度の間に投与された患者のがん細胞に到達して、がん細胞に結合
・点滴の翌日に病院で、患部に赤外線を当ててもらうと、「アキャックス」が化学反応を起こして、周辺のがん細胞に傷をつけて破壊する。
・一つ一つのがん細胞にナノサイズのダイナマイトを仕掛けて、赤外線を当てるとスイッチが入ってやっつけるというイメージ
・更に、これだけでは終わらず、がん細胞が破壊された次の瞬間から、がん細胞周辺の免疫細胞が活性化して、残ったがんを攻撃
・光免疫療法を開発した小林氏によると、
「最大のメリットは、既存の治療法に比べて副作用が格段に少ない点。周囲の正常細胞にはほとんど影響を及ぼさずに、がん細胞だけを攻撃」
「近い将来には、8,9割の固形がんに適用されるはず」
とのこと。
・実現すれば、がん患者の運命を変えるゲームチェンジャーになり得る。
・楽天の三木谷氏も、実父のがんをきっかけに小林氏に出会い、私財だけで既に数百億円を光免疫療法に投入。この治療法のライセンスは、楽天メディカルが独占的に持っている。
・日本では、前立腺がん、肺がん、大腸がん、乳がん、膵臓がんへの応用が検討されていて、米国でも、初期の頭頸部がんへの治験が始まっている。
そうなんですね!
世界のがん治療を大きく変える可能性のある「第5」の治療法は、日本人の小林先生が開発したんですね!
早くこの治療法が色々ながんに対して、安全で効果的に、しかも安く使えるようになって、人類の敵である”がん”克服に近付けるといいですね。
今回は、ここまでです。