今回は、韓国の「超少子化」、その背景は? についてです。
日本では、少子化が進んでおり、2023年の出生率は、過去最低だった2022年の1.26を下回り、1.2程度となる見通しだそうです。(日本総研レポート)
ところが、韓国の2023年の出生率は更に低く、「0.72」
この韓国の「超少子化」の背景について、朝日新聞で青木育美さん(聖学院大学教授)が書かれていたので、ポイントを紹介します。
・韓国の超少子化の原因は、将来への不安、子育ての負担、ソウル首都圏への人口集中と住宅費の高騰といった問題に加え、「競争圧力」が指摘される。
・良い教育を、良い就職をという過度の「競争圧力」が若い世代を追い詰め、自分一人やっていくのが精一杯という状況。
・韓国の女性の子育てへの意識の変化もあり、子どもを持つことを”リスク”ととらえる傾向があります。結婚が個人の選択の問題となり、”結婚しなければ”との抑圧から解放されて、生きやすくなったとの良い面もありますが。
・また、長時間労働を良しとする企業文化や、育児休業の制度が整っていても実際には取得しにくいという問題は今もあります。つまり、問題は、制度というより文化なのです。
・更に、急激に寛容性が失われています。「ノーキッズゾーン(子どもお断りの店)」まで現れました。弱者である子どもに対して寛容さが失われつつあります。
と、こんな内容でした。
これを読むと、少子化の進む日本の状況に非常に似ていて、”韓国の話”との前提を聞いていなければ、日本の話かと思ってしまうほどです。
このような状況では、日本の出生率が、このまま減少を続けて韓国の出生率に近づいていくことも否定できないかもしれません。
特に、「競争圧力」と「社会の寛容さの喪失」は、日本においても大きな問題のように感じます。
この二つが緩和に向かえば、日本の社会も、韓国社会も生きやすくなって、引いては、少子化問題にも良い影響があるのではないでしょうか。
今回は、ここまでです。