今回は、「折々のことば」(2023/8/21付朝日新聞:鷲田清一氏)からです。
写真家である星野道夫さんの講演集「魔法のことば」から紹介されていたのが、次の一文です。
(少し季節外れですが、ご容赦下さい。)
「これから夏が来るというのに夏至が来るとなんとなく淋しい気がするんですね。」
そうそう!
おばばも、もう、小学生の頃から、そう思ってました!
星野道夫さん、気が合いますねー!
夏至が過ぎると、だんだん昼間が短くなっていくばかりです。
なんとなく、上り調子のピークを過ぎた感があって、少しさみしいですね。
ところが、鷲田さんの説明を見ると、それだけでは無さそうです。
星野道夫さんは、1985年~1990年代に活躍。
主にアラスカの大自然と動物を対象とした写真家であり、また、エッセイも書いているとのこと。
(以下は、星野さんの写真の一つ)
中学受験の国語でも、星野さんの文章はよく題材となったりしてます。
「折々のことば」では、星野さんの次のことばも紹介してました。
「アラスカでは人は太陽がどんな弧を描いているかをいつも気にして暮らしています。」
そうなんですね!
東京では、太陽の高さの変化を自分の目で日々確認することはそれほどないけど、アラスカの大地では、それが本当に身近なようです。
そして、そのようなアラスカの大自然と一体となった暮らしは、日々多忙な生活を送る側からすれば、うらやましい気持ちもします。
一方。
アラスカの冬は厳しくて、寒い時にはマイナス30度まで下がることもあるそう。
夏至を過ぎると、そんな厳しい冬が近づいてくるのを感じるのだそうです。
そんなアラスカの大自然の写真や、そこでの生活は、日本の都市部では想像できないような、全く違った世界なんですね。
ところで、実は、ここが受験国語のポイントです。
アラスカの大自然と動物は、
「世界は広く、今、自分が悩んでいる自分の周りの狭い世界とは、全く違った場所や環境がいくらでもある。そして、今の自分の持つ悩みは大きく、抜け出すことは困難に感じるかもしれないけれど、実は、抜け出そうと思えば、いつでも抜け出せる。」
というメッセージになります。
そして。
「『今とは全く違う世界が沢山あって、場合によってはいつでも抜け出せる。』と思うことで、出口のないように見える目の前の悩みが思ったより小さく感じ、心が軽くなる。」
っていう感じで記述を書くと、まあまあ良い点が貰えそうな気がします。
アラスカの大地から、国語の記述のコツといった卑近な話になってしましましたこと、お許しください。
今回は、ここまでです。