「ゼロで死ね」という書籍が静かなブームになっているそうです。
日本の高齢者の3分の1が、「生きているうちに財産を使い切りたい」と考えているのに、ためこんだ金融資産は80歳を過ぎても平均で1~2割しか減らない。
そんな分析を今年度の経済財政白書がしているとのこと。
こんな世相を反映してか、「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」というビル・パーキンス氏の本が4年前にダイヤモンド社から発売されて、累計39万部を突破したそう。
朝日新聞(2024/11/27)にパーキンス氏を取材した記事が載っていたので、紹介します。
・「ゼロで死ぬ」という考え方は、1958年にノーベル経済学賞を受賞したフランコ・モディリアーニ氏が提唱した「死ぬときに残高がちょうどゼロになるように消費行動をすべきだ」との仮説に由来
・人々がお金を使い切れない理由は、主に次の4つ
ー自分がいつ死ぬのか分からない
ー老後の生活は意外にお金がかからない
ーお金はステータスになる
ー子どもに残したい
・米国のシニアも日本と似た傾向にあり、65歳で退職した時にある資産の減少率は、20年後の85歳で1割強に過ぎない。
・お金を使う能力は年齢によって変わり、同じ金額でも60代より30代の方が価値を高められ、コスパがいい。例えば、親が80代、子どもが60代といった「老々相続」はコスパが悪く、それよりは早い時期に生前贈与した方がいい。
・また、高齢者が有効にお金を使うためにパーキンス氏が提唱しているのが、やりたいことを年代毎にリストにする「タイムパケット」の作成
・お金とは経験を買うもの。重い病気にかかるとお金がいくらあっても楽しめなくなるが、思い出は記憶として残る。ベットに横たわっていたとしても、「記憶の配当」がいつまでも受けられ、人生を豊かにする。
・だから、お金がないなどの理由でやりたいことを先延ばしにせず、元気なうちに悔いのない人生を送るべき。
・多くの日本人に本を読んで貰えたのは、財産を使い切ることについて罪悪感を感じない免罪符のようなものが欲しかったからではないか。
こんな内容でした。
「ゼロで死ね」って面白い考え方ですね。
お金を使い切れない4つの理由のうち、「お金はステータスになる」だけは、自分にはちょっと理解ができませんでした。
「お金はステータスになる」とはあまり思いませんし、そもそもステータスになるほどお金を持っていません。
これは、富裕層の方の話かもしれませんね。
一方で。
「自分がいつ死ぬかわからない」とか、「子どもに残したい」
といったところは、言われてみると分かる気がします。
これら理由があるために、退職時の財産のうち生きているうちに使えるのが1、2割と聞くと、それはそれでびっくりですね!
旅行でも、体験でも、身体が元気なうちの方が、できることも多くより楽しめるし、その「記憶の配当」はいつまでたっても人生を豊かにしてくれる、と思うと、元気なうちにやりたいことをやらないと、といった気にもなります。
こんな風に考えるだけで、今後の人生が楽しくなりそうですね!
(とはいいましても、くれぐれも無計画に財産を浪費して、老後に困窮することは避けて下さい。)
今回は、ここまでです。